子供に勉強させるには

[ 弁護士 吉田恒俊]

誰もが子育てで悩むことがあります。特に、母親は勉強をしない子供に勉強をさせることに神経を使います。小学校から受験競争を勝ち抜くためのノウハウ本がたくさん出ています。どれを読んだらいいか、お母さん達はそこで迷います。本はよく売れているようですが、成果があったとして定番となるようなものは聞きません。

その理由は、買っても読まないで積んどくだけ、読んでも理解できない、理解できても実践しない、そもそも我が子には合わない、等が考えられます。私と同じ事務所の佐藤弁護士は、奥さんが最近有名になっている佐藤亮子さんです。佐藤夫妻の上の3人の男の子は現在東大医学部(理Ⅲ)在学中です。4番目の娘さんは来春受験ですが、東大法学部に進学し、佐藤弁護士の後継になってくれるといいのですが・・・。

亮子さんは「尾木ママ」ならぬ「佐藤ママ」などと言われていますが、すでに「灘→東大理Ⅲの3兄弟を育てた母の秀才の育て方」など数冊の本を出しています。どの本も分かりやすくて実践的ですから、子育ての終わった私も、我が2人の子どもにもこうすればよかったと思うところが多いです。もっとも子育ての中心は妻でしたから、妻がその気になることが前提ですが。

ところで、先日のテレビで、ある女性研究者が、統計上のうらづけがあるとして、子供に勉強させるには「勉強しなさい。」と言っても逆効果だ、それより目先のご褒美をちらつかせた方がいい、という説を発表していました(ご覧になった方もおられると思います)。「子どもはとにかくほめたおす。」、そして「勉強を嫌がる子には成功体験を与える。」という「佐藤ママ」本を補完するとも言えるでしょうか。

私の孫である小3男児も休暇に帰ってきたら遊びまくって、宿題もなかなかしないので、母親である娘はやいやい言っています。それでも勉強しないのですが、静岡の自宅では力尽くでやらせているようで、教育上はどうかなあと心配しています。

私は、佐藤弁護士からもらった奥さんの本を、読んだらすぐ娘に回しています。リビングでの勉強は「佐藤ママ」の教えの1つですが、娘なりに少しは実践しているようです。ほめるだけでなく、目先のえさで釣るような上記学者の説は、情操教育上まずいのではないかという意見もありますが、「ものは試し」で、娘に勧めてみようと思っています。これだと結果はすぐに現れますから、どんな結果が出るか楽しみです。
(2016/09/26)

共謀罪の導入を許してはならない

[弁護士 佐藤 真理]

犯罪行為がなくても、複数の人が話し合い合意しただけで犯罪とされる「共謀罪」法案が、再び国会に提出されようとしています。

共謀罪法案は、2003年以降、3度、国会に提出されましたが、広範な市民の反対の声により成立を阻止してきました。
ところが、安倍内閣は、2020年・東京オリンピックに備えての「テロ対策」との口実で、「組織的犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設しようとしていますが、その実質は共謀罪です。

刑法は、犯罪が実行され、結果が発生した場合に罰する「既遂」処罰が原則です。しかし、共謀罪は具体的な行為がなくても、犯罪について「話し合い合意した」(共謀)だけで処罰されます。これは危険な意思=「内心」を処罰するようなものです。

今度の法案では、適用対象を旧法案の「団体」から「組織的犯罪集団」に限定したといいますが、「組織的犯罪集団」との定義は不明確で、処罰対象が広く、捜査機関の判断に委ねられることに変わりはありません。共謀罪を適用する範囲も、「法定刑の長期が4年以上の懲役・禁固の罪等」であり、その犯罪数は600を超えます。テロのような重大犯罪に限らず、キセル乗車(詐欺罪)や万引き(窃盗)など、凶悪といえないような犯罪まで広く含まれます。労働組合員が居酒屋で、「社長は横暴過ぎる、殴ってやりたい」「そうだ、殴ってやろう」と会話しただけで犯罪とされかねません。

今年の通常国会で、電話や電子メール、SNSにいたるまで、警察が第三者の立ち会いなく監視できる「盗聴法大改悪」の法律が成立しました。これに共謀罪が加わると、テロ対策の名の下に、市民団体や労働組合内での会話が広く監視・盗聴され、市民社会のあり方が大きくかわることになります。

テロ対策を装う、市民弾圧法=「共謀罪」法案を断固、阻止しましょう。
(2016年9月13日)

カテゴリー: sato

クーラーなしでがんばっています

[弁護士 岡本 洋一]

 事務所にはもちろんクーラーがあります。クーラーがないのは自宅です。なぜないのか、特に理由はありません。元々、暑さに強いのかもしれません。

 年初めのブログで、遺跡発掘の仕事をしていましたと書きました。昨年の今頃は、遺跡発掘中でした。当然ですが、遺跡発掘の仕事は屋外で、しかも半分は土木作業です。休憩室にはクーラーはあるものの、炎天下、汗だくになりながら仕事をしていました。私はどちらかというと色白の方ですが、さすがにその当時は、真っ黒に日焼けしていました。

 摂取する水分量も尋常でありません。夏の一番暑い時期には、2.5リットルほどのお茶を持って行きました。暑さに対する感覚もズレていました。今日はちょっと涼しいなと思ったら、気温が32度しかありませんでした。さすがに36度を超えると、つらかったですが。

 間もなく夏が終わりますが、今年はクーラーのある部屋での仕事が中心でしたので、何か物足りなさを感じてしまいます。やはり、夏は汗だくになるぐらいが丁度いいですね。

「絶望」の裁判所

[弁護士 吉 田 恒 俊]

今年の残暑見舞いで、わたしは、”元裁判官の『絶望の裁判所』という本があります。最近私も、誰もが執行猶予だという被告人が実刑にされて「絶望」しました。”と書きました。この件は、去年3月の弁護士ブログでも「これでいいのか刑事裁判」と題して触れました。この不当に執行猶予を受けられなかった事件は、その後最高裁でも三下り半の決定で確定し、いよいよ9月初めに収監されることになりました。
70歳を超えた高齢の女性に1年あまりの懲役はきついと思います。前科は40年前の詐欺等1件だけ(それも執行猶予がついていた。)、全額弁済の供託をし、見守り役の娘さんと2人暮らし、しかも事業を経営しているというのですから、偏見がなければ、絶対に執行猶予が付くケースと考えられます。

「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」とは、1985年に、刑事法の大家だった平野龍一・元東大学長の言葉であります。80年代には免田事件や財田川事件、松山事件、島田事件と、死刑再審が相次いで、いずれも無罪となりました。

最近、この言葉が再び刑事裁判に投げかけられています。2010年の足利事件、2011年の布川事件、2012年の東電女性社員殺害事件、そして今年の東住吉放火事件と毎年のように再審無罪の判決が出ています。いずれも無期懲役が確定した人に再審が開始され、無罪の判決が確定しています。状況はやはり、かなり絶望的であります。なぜなら、これらの事件は氷山の一角で、その底辺には膨大なこれに類する絶望的裁判が横行していると考えられるからです。

私の経験した事件は、300万円で売った土地の横領事件で、判決も「懲役1年2月」という小さな事件ですが、裁判官が検察官の顔色を窺い、起訴されたら有罪という偏見を持っている点は何ら改善されていないところは、上記再審事件と同じです。

『絶望の裁判所』を書かれたのは元判事で現在明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志氏です。彼がここで言っていることは刑事裁判よりも民事裁判についてですから、もっと深刻です。圧倒的に民事裁判が多いわたしも納得できるところが多いので、病弊は刑事裁判に止まらないと言えます。瀬木氏は、最高裁事務総局の支配と統制に触れ、その支配の下にある裁判官たちについて、「檻」の中の裁判官=精神的「収容所群島」の囚人たち、とまで呼んでいます。裁判の独立はどこへ行ったのでしょうか。

わたしはまだ民事裁判のすべてに絶望してはいませんが、何人かのひどい裁判官に当たって苦労したことがあります。その上、上記の刑事裁判を経験したことから、「絶望」にカッコを付けて裁判一般への警鐘としたものです。本当に裁判に絶望したら弁護士はやっておれないですから。

何事にも例外はあります。わたしは刑事でも民事でも立派な判決をする裁判官がおられることを否定しません。瀬木氏の本を読んで反発される裁判官も納得される裁判官もおられることと思います。要は個人を超えた制度の問題が大きいのです。

安倍チャンネルを許さない-NHK放送受信料裁判を ご支援ください

[弁護士 佐藤 真理]

籾井勝人氏はNHK会長に就任した際の会見で、「政府が右を向けという時にNHKは左を向くことができない」と発言しました。以来、NHKの「安倍チャンネル化」(政府広報化)がいっそう進んでいます。

放送法には、テレビを購入すると、NHKとの間に、放送受信契約を結ばなけれならないと規定されています。この規定を根拠に、市民が、NHKの放送を受信するか否かにかかわらず、NHKは放送受信料を徴収しているのです。

Aさんは、約3年前からNHK放送受信料の支払いを中断していたことから、NHKは、昨年10月、34か月分の放送受信料4万3980円の支払請求訴訟を提起してきました。

裁判は奈良地裁で、本年3月4日から始まりました。私たち被告弁護団は、「放送受信契約は、受信の対価として受信料を支払うという継続的な『有償双務契約』である。市民は受信料を支払う義務があるが、他方、NHKは、放送法を遵守した放送を提供する義務を負っている。NHKが放送法第4条等が規定している「政治的に公平であること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などの義務を履行しない場合には、市民は、受信料の支払いを拒み、または一時留保することができると主張しています。

ところが、5月13日の第2回口頭弁論において、担当の森川裁判官が、突然予告もなく、「弁論終結」と宣言しました。
被告代理人の私が強く抗議し、「被告側はまだ主張立証を予定している。原告の主張への反論を準備している」と指摘して弁論の続行を求めましたが、森川裁判官は一言も発言せず、立ち上がったため、私は裁判官の忌避を申し立てました。被告のAさんを支援している「NHK問題を考える奈良の会」が提起した「森川裁判官の忌避を求める請願署名」が急速に広がり、5月24日までに合計1799筆が裁判所に提出されました。忌避申立てに関しては、現在も大阪高裁で審理中です。

私たちは、早期に弁論再開を勝ち取り、「安倍チャンネル化」しているNHKの報道の現状を告発し、その是正が図られない限り、放送受信料の支払いを一時留保できる権利の確立を求めて、全国的なたたかいを発展させていくつもりです。
ご支援をよろしくお願い致します。
2016年7月1日
佐藤真理

大神神社にて

[ 弁護士 岡本 洋一 ]

先日、大神神社に参拝し、三輪山に登拝してきました。連休ということもあり、結構な人出でした。関東圏や九州圏ナンバーの車も散見しました。三輪山

皆さん、拝殿の向こうにある山を拝んでいました。また、三輪山の中腹や頂には巨石群がありますが、皆さん、巨石を拝んでいました。私も皆さんに倣いました。大神神社に参拝し、三輪山に登拝すると、大変清々しい気持ちになります。

三輪山は神奈備であり、カミの鎮まる山です。その中腹や頂にある巨石群は磐座であり、カミが鎮座するところとして、古代から祭祀が行われてきました。
古事記によれば、三輪山にオオモノヌシノカミを祀ったのはオオクニヌシノミコトです。オオクニヌニノミコトが活躍したのは、弥生時代?でしょうか。おそらく三輪山は、オオクニヌシノミコト以前の時代からすでに、神奈備として崇められてきたものと思います。そうすると、数千年前くらいから、三輪山は人々の信仰の対象になってきたのでしょうか。

信仰の形、祭祀の形態は、時代とともに変容してきたとは思います。もっとも、三輪山が数千年に渡って、人々に崇敬されてきたのは事実でしょう。こうした伝統や風習は非合理的とも思えるかもしれませんが、大切にしたいものです。

奈良に住んで3年ほどになりますが、歴史、伝統の重みが感じられる、奈良はすばらしいところと思います。

今年の桜あれこれ

弁 護 士 吉 田 恒 俊

今年の桜は特に綺麗でした。どなたもそうおっしゃいますから本当に美しかったのでしょう。私も自宅の2階から見る桜に引かれて、妻を乗せて車で近くまで行き、そこから初めての道路を誘われるように進んでいきますと、近大農学部の入り口の桜並木にぶつかりました。並木は100m以上はあるでしょうか、両側から6mくらいの通路を覆うように満開の「染井吉野(ソメイヨシノ)」が続いています。手前の駐車場に車を止めて入っていきましたが、たわわな花が顔に触れるほど近いのです。大学は宣伝はしていないようですが市民に開放しているそうですから、不法侵入にはなりませんからご安心ください。並木の奥にも池を囲んで沢山のみごとな桜がありました。

ちなみに染井吉野は元々1本の木から増やされて全国に広がったので、DNAが同じということになります。一卵性双生児と同じで、みんなそっくりなのです。だから、同じように咲いて同じように散ります。今では全国の桜の名所のうち約8割が染井吉野と言われています。桜と言えば大抵染井吉野をさしていることでしょう。

しかし、桜は約100種類(一説には300という)もあるそうです。生駒市あすか野に宅地開発でわざわざ残された染井吉野の並木道があります。それは美事ですが、別に数年前からいろんな種類の桜の木が植えられいることに今年気付きました。ざっと30本(30種類)ぐらいあるでしょうか。その中で、「駿河台匂い(スルガダイニオイ)」という一重の白い花はえも言えない上品な香りがします。目の見えない人はこの匂いで桜の季節を感じるそうですが、私は桜の花の匂いをかいだのは初めてで、珍しい経験をしました。さらに、「須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)」という八重の桜は、花びらが緑色で、有名な「御衣黄(ギョイコウ)」とよく似ています。最後にご存じの「楊貴妃(ヨウキヒ)」もありました。八重という感じがしないスマートでかつ高貴な感じのするピンクの花です。まだ3メートルくらいの小木ですが、それぞれ堂々とした存在感がありました。

こんな話を30人ぐらいの会議の終わりに,時間が余ったので遊び心で話したのですが、帰ってから朝日新聞を見たら、その日の土曜特集版で桜のことが大きく取り上げていたので驚きました。そこでは、イングランドから里帰りした大きな一重の花を咲かせる「太白(タイハク)」の話が中心でした。

つまらないうんちくを傾けましたが、皆様も我が国伝統の花である桜への関心をさらに一歩進められては如何でしょうか。染井吉野とはひと味もふた味も違った沢山の桜に強い印象と愛着を持たれること間違いありません。

ちなみに上述の花の写真はネットで親切な方々が提供してくれていますので、そちらのご参考にして下さい。。
(2016/04/23)