NHK裁判が結審

[弁護士 佐藤真理]

私のライフワークの一つである「NHK受信料裁判」が今月11日に結審しました。最終準備書面の提出に向けて、ゴールデンウイーク以降、作業に忙殺され、まともに休みを取ることはできませんでした。146頁に及ぶ最終準備書面は、弁護団と原告団の努力の結晶です。
この機会に、本裁判の中間総括をしておきたいと思います。

<国民のためのNHKをめざして>
NHKの視聴者は、受信料を支払うだけの存在であってはならないと考えています。主権者として、NHKに働く人達と共同して、「政府のためのNHK」から「国民の権利を擁護し、民主主義の前進に寄与するNHK」に変えていくために、主体的な役割を果たすことが求められているのです。奈良地裁の受信料裁判はその一つの実践です。

<放送法4条の遵守はNHKの義務>
放送受信契約は、受信の対価として、受信料を支払うという「有償双務契約」です。
放送は、国民の知る権利に奉仕するものですが、知る権利に応える情報の多様性は、放送事業者の自由競争に委ねるだけでは十分に確保できません。そのために、放送法4条は、放送事業者の放送番組編集の自由に対する「公共の福祉」に基づく制約として、放送番組の編集にあたって、「政治的に公平であること」、「報道は事実を曲げないですること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などを義務付けているのです。
私達は、本裁判において、NHKがニュース報道番組において、放送法4条および同趣旨の国内番組基準を遵守して放送する義務があることの確認を請求しています。

<最高裁判決は放送内容は判断せず>
2017年12月の最高裁大法廷判決は、「放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。」と判示の上、テレビの購入者がNHKの放送を視聴していないとして受信契約の締結を拒否している場合にも、放送法64条により受信契約の締結が義務付けられているとして、「放送法64条は合憲」と判示しました。
しかし、この最高裁判決は、NHKの放送内容については判断していません。ニュース報道番組が「アベチャンネル」状態に陥っていないのかどうか、公共放送にふさわしいニュース報道を行っているか否かについては、全く判断していません。

<歴史的裁判>
本件訴訟は、国民の知る権利と民主主義の発達に寄与する公共放送の在り方を正面から問う歴史的裁判だと確信しています。
NHKは、本裁判において、「請求の棄却」や「訴えの却下」を求めるだけで、原告申請の証人5名、原告代表者5名の尋問に対する反対尋問も放棄しました。
私たちは、2016年7月以降、丸4年に亘り、19回の口頭弁論を重ね、訴状・準備書面等を30通、407点に及ぶ書証を提出して、主張・立証を尽くしてきました。

11月12日には、人権擁護の最後の砦である裁判所が「歴史的な判決」を言い渡されるものと期待しています。
無論、第一審判決は、私たちの運動の第一歩の到達点を刻むに留まる可能性もあります。
いずれにせよ、「国民の知る権利」と「民主主義の発達に寄与」する公共放送の実現をめざす私達の運動に収束はありません。高裁及び最高裁とたたかいは続き、同種訴訟が他地域でも提起されていくことでしょう。
2020年6月14日

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検事長の辞職で幕引きは許されません 出処進退が大事です

[ 弁護士 吉田 恒俊]

 東京高検検事長が、コロナ禍での賭け麻雀で賭博罪という犯罪容疑までついて、失脚しました。8月には検事総長だったはずですから、正に「天国から地獄へ」、松本清張の小説のテーマそのままの人生の逆転劇です。

 検察庁法改正反対の世論が高まる中で、親しい検事仲間から違法な定年延長で検事総長になるより、自ら辞職しなさいと暖かい声をかけられていたのがつい先日のことです。検事の仲間意識はとても強いものと聞いています。定年延長の時から約3ヶ月も全国的話題の渦中にあったのですから、考える暇はあったはずなのに、黒川氏はどうして仲間の声に耳を傾けなかったのでしょう。先に辞職しておけばと後悔しているに違いありません。検事総長という地位の魅力よりも、自分を引き立ててくれた安倍首相に忠誠を尽くそうとしたのでしょうか。

最近の朝日新聞の調査で安倍内閣の支持率は29%、不支持率は52%となって過去最低です。自民支持率も26%にまで下がっています。コロナ対策の不首尾に加えて、検察庁法改正案がごうごうたる世論の非難を浴びていることが理由と考えられます。

 安倍内閣は、自らの誤りを認めず、黒川検事長の辞職で幕引きをはかろうとしています。例えば、黒川検事の定年延長はあくまで間違ってなかったと言い、検察庁法の改正はこの時期国家公務員の定年延長はまずいと「事情の変化」を口実に撤回を匂わせ、悪法を持ち出した責任を免れようとしています。

 人間というものは出処進退が大事だと言われます。また相当の地位に就くには運とともにそれに相応しい器量が必要であります。器量もないのに高い地位に就くと、やがて身を滅ぼすことになりかねません。過度な遠慮はいけませんが、過度な出世を望んでもいけません。人生の節目に敏感に対応して出処進退を誤らないようにする必要があります。誰でも人生には節目がありますから人ごとではありません。

 黒川氏が検事総長の器であったかどうかはともかく、進んで辞職する前に切られたのが真相だと思います。このまま8月になって、安倍内閣が黒川氏を予定通り検事総長に任命すれば世論の批判はもっと激しくなることが予想されます。安倍内閣にとって、黒川氏が任意に辞職すれば定年を延長したメンツ丸つぶれなので、黒川氏個人の不行跡で世論も辞職やむなしとなれば、辞職に対する風当たりを避けることができます。安倍首相が知っていたかどうかはともかく、黒川氏の麻雀好きは部内では皆知っていたはずです。まして、スパイ組織である公安警察や内閣情報調査室が知らなかったはずはありません。誰かがたれ込めば、週刊文春の手配で1ヶ月ぐらいの尾行と張り込みで記事を書くことは容易だったと思います。誰が文春に垂れ込んだのかの詳細がはっきりしないことも不思議です。

 友人間で点ピン(1000点10円)のレートで麻雀をすることが賭博に当たるかどうかは、微妙なところですが、常習とされない限り処分は軽くて済むのが普通です。しかし、黒川氏に常習性を認めなかった法務省内の調査は身内に甘すぎます。仮に常習性がなければコロナ自粛の「3密」に反して賭け麻雀をしたとしても、普通なら検事長辞職の理由にはならないと思います。今回の黒川辞職劇は、週刊文春に書かれることにより、常習性の有無を問題とするまでもなく、世論の反発を誘った結果ではないでしょうか。

 2月に東京高検検事長として定年退職しておれば、黒川氏は元検事長である弁護士として平凡に余生を全うできたに違いありません。黒川問題のそもそもの原因は安倍首相にあります。解釈の変更という違法な理由で前例のない検事の定年延長をしたのですから。誰も黒川氏の定年延長が法務省から提案されたという弁解を信じていません。

 ひるがえって安倍さんはこれまで何人もの他人の運命をもてあそんで来ました。妻昭恵氏の親友であった森友学園の籠池泰典・諄子夫婦は今や犯罪者として裁かれています。多くの公務員が虚偽公文書作成を職務として強制され、その中の一人は自殺に追い詰められました。財務省理財局長であった佐川宣寿氏は国会で苦渋の偽証をさせられ、国税庁長官に栄転したものの針のむしろで、退職後はひっそりと暮らしています。「桜を見る会」では、しばしばテレビで放映される当日の写真で、安倍夫妻と並んで何人もの有名人が能天気に笑っています。恥ずかしいだろうなと同情します。
 森法務大臣も黒川氏の定年延長や検察庁法案提出の責任を負わされて、国会や記者会見でろくな応答もできずに生き恥をさらしており、最近は美しい顔立ちが鬼のような形相になっていると思うのは私だけでしょうか。日本人の行動様式は「恥の文化」と言われますが、これ以上恥をかかないために早く大臣をお辞めになることをお勧めします。

 「#検察庁法改正案に抗議します」というつぶやきが700万件も上がって、普段は政治的な発言をしない有名人たちも怒りを示しました。違うハッシュタグの意思表示も含めれば1000万件、2000万件を数えているかもしれないと言われます。
 安倍首相は、いつも「私に責任がある。」と言いながら何の責任も取らず、今回もこのまま逃げ切れると思っているかもしれません。時間が経てばまた支持率も回復するとタカを括っているのでしょう。それを許すかどうかは今後の世論の動向にかかっています。黒川検事長の辞職で検察庁法改正問題の幕引きは許されません。現に、訓告という軽い処分でなお批判を浴びています。安倍首相もそろそろ出処進退を明確にしないと恥をかくことになりますよ、と申し上げておきます。

2020/05/27筆

火事場泥棒と言われて恥ずかしくありませんか?

[弁護士 吉田 恒俊]

 安倍首相のお友達がまた一人。今度は、「官邸の門番、官邸の代理人、官邸の用心棒」などと評価されている黒川弘務東京高検検事長を検事総長にするため、違法に定年を延長させたことです。検事総長に任命されたら63歳の黒川氏は最長68歳まで居座ることができます。検察官は国民を刑事犯罪者として起訴する権利を独占する国家機関です。そのトップを安倍首相の「用心棒」が握ることは、自分はどんなことをしても起訴されないということにつながります。

 これでは検察への国民の信頼が失われると心配して、元検事総長ら元検察幹部の14人が法案に反対する意見書を提出しました。時の政府の政策に検察OBが公然と反対を表明することは例のないことです。

 安倍さんは、土地代8億円も値引きした森友学園、むりやり獣医学部を認めた加計学園、そして桜を見る会など自分たちが検察の捜査の対象になるのではないかと心配しているのでしょう。実際、桜問題では私たち弁護士が先日安倍首相を告訴しました。これから検察庁で審理されます。

 森法務大臣は、何故今かかる法改正が必要なのかはこれから決めると答弁しました。つまり、今急いでやる必要のない不急の法案だと自白していることになります。

 他方、安倍内閣のコロナ禍に対する対応は厳しい批判にさらされています。疾病対策では、2月27日突然4日後の3月2日から全国全ての小中学校と高校などに対し臨時休校の措置を取るよう要請して大混乱を生じさせたこと、感染症に対するPCR検査を制限し、医療現場を混乱させ助かるべき患者を死亡させたこと、そのために介護施設での対応も混乱しました。

 また、経済対策では、本年4月7日緊急対策として、108兆円の財政対策を過去最大規模と自慢していましたが、真水(真に国民に届く資金)は16兆円ぐらいしかないそうです。その後全国に緊急事態宣言を発出し、沢山の国民が困窮に陥ったのにその対応が後手に回り、決まっても迅速に実行されていないこと、貧困層や学生及び中小業者に対する支援額が少ないことなど、安倍内閣の方針は右往左往しています。私の周りの人には未だにマスクも特別低額給付金の案内すら届いておりませんから、他は推して知るべしでしょう。

 憲法改正論議も同様です。今緊急に解決すべき問題ではありません。必要ならコロナ対策が一段落して落ち着いて議論すべきです。

 緊急を要するコロナ対策にみんなが懸命になっているときに、不急の検察庁法改正案や改憲改正論議を持ち出すことは火事場泥棒的であり、恥ずべきことです。安倍さん!汚れたマスクに470億円もかけるのならワクチンや特効薬開発に使うべきでした。犬とリラックスしているのもいいですが、もっとコロナ対策に励みなさい!

憲法記念日

[弁護士 大久保 陽加]

4月7日に新型インフルエンザ特措法に基づく緊急事態宣言がなされて1ヶ月ほどが経とうとしています。

多くの方が見えない敵に大きな不安を抱えて、毎日を過ごしていらっしゃるかと思います。
私も「幼い我が子が感染したら…」「高齢の祖父、両親が感染したら…」と気が気でありません。

そのような状況で迎えた5月3日の憲法記念日、安倍晋三氏は、自民党改憲案4項目のうちの一つである「緊急事態対応」規定(所謂、緊急事態条項)の創設を含む改憲の必要性を訴えました。

最近、ネット上でも緊急事態条項の創設を望む声がちらほら見られます。

ですが、緊急事態宣言の実効性を高めるために罰則を付加することは、憲法を変えなくても、立法により可能です。

大事なことなのでもう一度言いますが、政府が実効性に乏しい対応しかできていないのは、憲法のせいではありません!!

政府の意識と能力の問題です。

そして、自民党改憲案における緊急事態条項は、政府への立法権を付与及び基本的人権の制限をその内容としていますが、これに対する歯止めの規定はありません。
(よく諸外国の対応が強硬なのは憲法に緊急事態条項があるからだ!という意見を見ますが、諸外国の緊急事態条項と自民党改憲草案とは、政府の暴走に対する歯止めの規定の有無において「全く別のもの」です。)

今回のような緊急事態にまともな対応もできず、人命よりも目先の経済と東京オリンピックを優先するような政府にこのような権限を与えてなにが解決するのでしょうか?

国民が新型コロナウイルスへの不安、それによる生活の困窮や疲弊と闘っている今、その不安感に付け込んで改憲を持ち出す人にそのような権限が与えられて、どうなるのでしょうか?

私には、暗い未来しか見えません。

我が子が幸せな未来を歩んで行けるように、緊急事態条項を追加することは絶対に阻止しなければなりません。

ちなみに、私も所属している「明日の自由を守る若手法律家の会」から「憲法カルタ」が発売されました。家で過ごす時間が長くなっている今、楽しみながら憲法を知っていただければ嬉しいです。

下記のURLから購入していただけますので、是非ご覧ください。

https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/7zmamuigg76d?fbclid=IwAR029uQmZt1YukouvBSII26O89UGBRnBzJP_DSuo3Kov_hMurytebDEUIbE

2020年5月8日

私の友人

[弁護士 松本 恒平]

去年の夏、福岡から5歳の甥っ子が、ひとりで、祖父母である私の両親宅へ遊びに来ました。5歳の彼にとっては大冒険です。ただ、実は、4歳の夏もひとりで両親宅へ遊びにきたので、なにやら彼のなかでは、ひとり旅が、夏の定番行事となっているようです。

わたしは、彼が2歳の頃から、「いーちゃん」と呼ばれています。
自分で言うのもおかしいですが、わたしと彼は随分と仲良しです。わたしとしても、せっかく遠くから来たのだから、全力でもてなそうということで、週末ごとに、色々なところへ一緒に遊びに行きました。何十年ぶりかに行った、生駒山頂遊園地では、フリーパスポートで40回くらい、乗り物にのりました。大阪南港ATCでの昆虫博にも行きました。

彼の滞在中は、もっぱら私が両親の車を運転し、彼は、助手席が定位置でした。本当にいろんな話をしました。
昆虫博からの帰り、彼は唐突に、「僕は、いーちゃんのことが大好きだよ。」と言ってくれました。わたしは、咄嗟に反応できず、思わず聞き返してしまいました。彼は、わたしの目を見ながら、もう一度、「僕は、いーちゃんのことが大好きだよ。」と言いました。

彼が福岡に帰る日の朝、わたしは、彼と、福岡まで彼に付き添う両親を、車で駅まで送りました。車を降りて駅の階段に向かうあいだ、彼は、10歩あるくごとに、わたしの乗った車を振り返り、小さな手を何度も降ってくれました。

そんな彼は、今年の4月から小学1年生です。新型コロナウイルスの影響で、入学式はまだありません。弟から、桜の木の下で、嬉しそうにランドセルを背負っている甥っ子の写真が届きました。

どうか、この先、彼にとって幸せな世界になりますように。

外出を控えて、コロナ禍をやり過ごそう

[弁護士 佐藤 真理]

新型コロナウイルスが世界中を席巻し、大変な毎日になっていますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

学校の休校も長引き、家では保護者の方も毎日の子供のことで大変な思いをされていると思います。

休業要請を受け、家賃、もろもろの支払い、生活費などが重くのしかかり、来月からの生活が心配でならないという方がたくさんおられます。
「内定取り消し」を受けて就職できない、「自宅待機」を命じられ、賃金が大幅に減らされて困っているという方もおられます。

そのような方々が、当事務所にも、ご相談に来られています。
しかし、今は、外出しない方が安全ですので、奈良合同法律事務所では、当分、電話相談を活用することにいたします。
心配なこと、お悩みのことや解決できない問題を抱えた方は、ぜひ、奈良合同法律事務所に気軽にお電話ください。

事務局の簡単な聞き取りの後、できるだけ弁護士が、直接お話をお伺いいたします。
基本は、10分間の相談となりますが、経験上、10分程度の相談でも8割以上は解決の目途が立てられます。

問題の解決は早ければ早いほど納得のいく結論がでますので、問題が大きくなる前にご相談下さい。全力でお手伝いさせていただきます。

もちろん、資料などを持参してもらい、直接お会いした上でのご相談が原則ですので、体調が悪くない限り、来所してくださっても大丈夫です。

人類にとって初めてのウイルスですが、なんとか乗り切り、また、平穏な日々を取り戻すべく、所員一同、頑張りたいと思っています。

電話 0742-26-2457

2020年4月16日

カテゴリー: sato

コロナ禍で忘れてはならないこと

[ 弁護士 吉田 恒俊]

新型コロナウイルスの対策を検討する政府の専門家会議が4月1日、「都市部を中心に感染者が急増している」との現状分析を公表し、尾身茂・副座長は、5都府県では対策を進めなければ「オーバーシュートの前に医療崩壊が起こる」と言いました。諮問委員会もこれをよしとしたのを受けて、4月7日政府は東京・大阪など7都県に5月6日までの緊急事態宣言を発令しました。

今回のコロナ禍のために多くの人が予定した会合が延期や中止になって、気が抜けたような気分になった方も多いと思います。私も東京3件、奈良ではそれより多い会合がなくなりました。依頼者の方の来所や法律相談も減っているようですが、目に見えて暇になったという感じはありません。

考えてみれば、自分は恒例の花粉症が例年より軽症で、コロナ禍の影響としては、手洗いをよくするようになったこと、人混みに行かないようにしていることぐらいで、逆に自由時間が増えたくらいです。

テレビや新聞でコロナ騒ぎが持ちきりになって、気分が落ち着きません。他のことを考える精神的余裕も奪われかねません。こんな時こそしっかりと自分を見つめて、やるべきこと、やりたいことを見失ってはならないと思います。

国連事務総長のグテーレス氏は、3月31日、コロナ禍について「全人類にとって脅威となる病であると同時に、かつてないほどの景気後退をもたらす」と強調し、政治的な争いをやめ、人類の今後が問われていると、各国に呼びかけました。今も世界の方々で戦争や軍事紛争が起こって、何千何万の人々が死んでいます。特に、シリア、イラク、アフガニスタン、ナイジェリア、 メキシコ、ソマリアなど日本から遠く離れているので実感がわかないのですが、決して日本と無縁ではありません。

戦争とは政治の延長ですから、政治的な争いをやめよというグテーレスさんの呼びかけは、今こそ戦争をやっている暇はないと戦争当事者だけでなく、背後の大国を含め世界の人々に訴えたものです。

現在の地球の二大危機である原爆・原発と地球環境問題への取り組みがコロナ禍のために先送りになっていることも憂えます。今月末から予定されていた核不拡散条約再検討会議が延期されました。さらに、政府も国民も差し迫った健康と経済問題に集中するようになって、気候変動の長期的な危険は後回しにされる可能性があります。こんな時こそ、地球の二大危機に向き合うよう互いに声を掛け合う必要を感じます。

2020/04/07

自己紹介

[弁護士 大久保 陽加]

はじめまして、2020年4月1日より奈良合同法律事務所に入所する大久保陽加(はるか)と申します。

滋賀県で生まれて、中学校・高校は生駒山の向こう側の大阪桐蔭に通っていました。

大学進学をきっかけに上京して、2017年12月から東京で弁護士として執務をして参りました。地域に根差した法律事務所で、離婚、自己破産、労働問題、相続問題、交通事故、刑事事件…など本当にたくさんの事件に携わらせていただきました。

約2年間の弁護士業務をしてきて、「人情」の大切さをひしひしと感じております。

民法学者である我妻榮先生は、法律家としては一般的確実性(=理屈)と具体的妥当性(=人情)の二兎を追うべきであるが、この調和が難しいとおっしゃっています(「法律における理屈と人情」我妻榮著)。
私は、弁護士としては、人情(具体的妥当性)を大切に、目の前の依頼者の方の心情に寄り添った解決を実現すべく尽力したいと考えています。

依頼者の方おひとりおひとりとのコミュニケーションを大切にして、依頼者の方と共に解決を目指していきたいと思っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

2020年3月27日

新進気鋭の女性弁護士を迎えます

[弁護士 佐藤 真理]

今年も、早いもので、もうすぐ4月となります。
いつもでしたら、春爛漫で心うきうきの季節ですが、今年の春は様相が違いますね。

新型コロナウイルスが、なかなか収まらず、毎日、どのように過ごせばいいのか、悩みは尽きません。

私も、先日、トイレットペーパーを買いに行ったら「一人にひとつ」ということでした。もう少し、辛抱してじっとしている、ということでしょうか。

今年のこの経験は、ぜひ、記録して次に生かしたいと思い、メモにしています。

「奈良合同法律事務所」は、この4月に
大久保陽加弁護士を迎えて『弁護士4人体制』になり、
よりパワーアップします!

☆ 判断力と人間力に卓越した超ベテランの吉田恒俊所長
☆ 不屈の戦闘性を誇る私、弁護士の佐藤真理
☆ 新進気鋭の切れ味鋭い松本恒平弁護士
☆ 東京で2年のキャリアを積んだ女性の大久保陽加弁護士

この4人で、日常の小さな悩みから、相続、離婚、解雇問題など、人生の分かれ道になる大きな問題まで、その他のあらゆるジャンルのご相談をお受けさせていただきます。

悩んだらすぐに相談すると解決も早いです。
相談料は、30分3300円(税込み)です。一人で抱え込まず、まずは気楽に電話予約して私たち弁護士にその悩みを話してみませんか。

お待ちしております!
2020年3月23日

カテゴリー: sato

東京電力元会長らの無罪判決は不当                  政府の長期評価を意図的に否定した裁判所

[弁護士 吉田 恒俊]

はじめに
去る9月19日、東京電力の旧経営陣の刑事責任を問う裁判で、東京地方裁判所刑事4部(永渕健一裁判長)は、勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の3名の被告人をいずれも無罪としました。この裁判は、直前まで起訴しようと準備していた検察官が、上司の圧力に屈して不起訴にしたため、検察審査会で起訴相当となり、指定弁護士が検察官役となって起訴したものです。

争点は津波の襲来の予見
争点は、被告人らに津波襲来の予見可能性があったと認められるか否かでした。「予見可能性」とは、予め予測できたかどうか」という意味です。政府の地震調査研究本部(「推本」)は2002年7月に「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」(「長期評価」)を公表しました。
民事の損害賠償訴訟では裁判所はこの長期評価を信用できるものとしているのに、この判決では、「客観的な信頼性、具体性があったと認めるには合理的な疑いが残る。」として無罪を言い渡したのです。長期評価の内容は、福島県沖でマグニチュード8.2前後の地震が起きる可能性があり、それを基に津波の数値解析をした東電は、2009年6月に15.7メートルの津波対策が必要と分析していたのです。しかし、東電は国にも福島県にもその分析結果を隠し続け、国に報告したのは震災の4日前でした。

予見可能性はあった
東電は防潮壁の設置をしなかっただけでなく、建屋の入口である大物搬入口の水密化(水の浸入を防ぐ工事)、主要機器の設置されている部屋の水密化、代替電源などの高台設置などの対策を何ら取らなかったのです。どれか一つでもやっていたらあのような大災害は避けられた可能性が高いのです。
スリーマイル島やチェルノブイリなど外国での原発の大事故にもかかわらず、東電は日本の原発は絶対安全だと宣伝して、国の長期評価をも無視して国民を騙してきたのです。福島の事故で嘘がばれて、国民に重大な被害を与えているのに、被告人ら東電元幹部は自分らの刑事責任を否定するという無責任な態度をとり続けています。

裁判所の理屈
裁判所の理屈は、「当時の法令上の規制や国の指針、審査基準は絶対的安全性の確保までを前提にしていなかった」と言うのです。しかし、指定弁護士は絶対安全性などという高いハードルを要求していません。あと10メートルの防護壁の設置と上記の対策をすればよかったのです。部下からの進言があったのに、被告人らはこれを無視し何らの津波対策をしなかったのです。過失は明らかです。
2008年2月16日の御前会議で推本の長期評価に基づいて津波対策を講ずる方針が了承されました。判決はその証拠となる部下の山下原子力管理部長(中越沖地震対策センター長)の調書の信用性がないとしました。
本件では地震による15メートルの津波の可能性は指摘されていました。部下から対策も進言されていました。それを無視して何もしなかったのですから、有罪は当然だと思います。判決はこの点で、被告人らを無罪にするために、長期評価と山下調書を否定するという、意図的と言える誤りを犯して、強引に無罪にしたのです。
控訴中の東京高裁での裁判を見守りましょう。
(2019.12.13)

福島第1原発に石棺をかぶせよう デブリを持って行くところはありません

[ 弁護士 吉田 恒俊]

デブリをどこに捨てる気?
2011年(平成23年)3月11日に発生した東電福島第1原子力発電所大事故から8年9か月が経ちました。東電は廃炉工程表で、当初から最終工程を「原子炉施設の解体等」と明記し、事故から30~40年後の作業完了を目指しています。しかし、無責任な願望であり未だに収束の見通しが立っていません。最近、溶融核燃料(デブリ)撤去を始めるかのような記事を見かけましたが、撤去したデブリをどこへ持って行くのでしょう。まさか海洋や奥山に捨てようと考えているのではないでしょうね。日本と世界のどこを探しても何十年も放射線をはき続ける危険なものを受け入れるところなどないに決まっています。

石棺で覆うしかない
だから、私はチェルノブイリと同様その場を石棺でおおって永久に付近を立ち入り禁止にする以外にないと考えています。廃炉費用も格段に安くて済みます。これ以上税金を無駄に使ってほしくありません。誰もそのことを言わないのは、地元の人たちに遠慮しているからでしょう。12月5日の朝日新聞社説でも「作業はきわめて難しく、難航が予想される。」としながら、はじめに撤去・搬出ありきの論調で、現地凍結の話はありません。しかし、冷たいようでも言わなければならないこともあります。

早く再生可能エネルギーへの転換を!
現実を直視すれば、二度とこんな被害を受けないために、原発を全廃していち早く再生可能エネルギーに移行する必要があります。先日来日されたフランシスコロ-マ教皇も「安全が保障されない限り、核エネルギーは使うべきではない」と明言しています。無責任な東電と政府の原発事業の尻ぬぐいのために、これ以上無駄な廃炉費用まで国民に負担させること自体許しがたいことです。

原発廃止は選挙の争点
原発問題が選挙の争点にならないのはなぜでしょうか。私はいらいらする思いです。時間はありません。今度同じ事故が起こったら日本は壊滅するでしょうから。
(2019/12/05)

夏の思い出

[弁護士 佐藤 真理]

ようやく秋の訪れを感じる今日この頃です。
今年の夏の思い出は、8月に長女が参加した千葉県習志野市での水泳大会に二日がかりで応援に行ったことです。
東日本の医学部のある38大学の大会で、長女は50メートル背泳で8位入賞。200メートルリレーでは、第2泳者を務め、見事に銅メダルを獲得したのです。

何故か秋田大学の応援席から観戦しましたが、40数年前の、私の学生時代を思い出しました。武道館で開かれた少林寺拳法の関東大会・全日本大会に3回ほど、選手として参加したことがあります。多少の違いはあるものの、各大学が選手の応援を競い合う熱気と雰囲気はほぼ同じで、思わず熱くなりました。

長女が小・中学生のころ、あちこちの温水プールに毎週のように通ったことを思い出します。長女は私の両足の間を潜って通り抜けるのが得意でした。来年は4回生で、記録の更新が今から楽しみです。

昨年11月には、三男のアメフットボールの最終試合に応援に行きました。アメフット観戦は初めてでしたが、激しいぶつかり合いの中、残り1ヤードで相手が新規攻撃権を得て攻めようとした際、三男が相手のランを読んで見事タックルで潰し、攻撃権を奪い返すなど大活躍。結局、大差で勝利を収めることができ、親子ともども大喜びでした。

学生時代、長男はサッカー部、次男は野球部で熱心に活動しましたが、忙しさにかまけて応援に行けず、少し、後悔しています。

2019年9月16日

カテゴリー: sato

イギリスは本当にEUを離脱するのか?

[ 弁護士 吉田 恒俊]

イギリスの新首相ボリス・ジョンソン氏は来る10月末のEU離脱の強硬派であります。国民投票の時から強行離脱を吹聴して、とうとう首相になってしまいました。メイ前首相は離脱の合意に向けて最大限の努力をしたと思いますが、イギリスの国会はこれを否決しました。否決の中心にはジョンソン氏がいました。保守党の党員達はその彼を党首に選んだのです。世論調査ではEU離脱反対が多数ですから、国民の意思と政権の意思とが食い違っています。民主主義の危機です。

独裁国でなくとも最近権力の意向と民意とが食い違うことが多くなっているように思います。その典型はアメリカのトランプ大統領ではないでしょうか。ジョンソン首相は小型トランプと言われていますが、このまま離脱すれば、ヨーロッパで孤立したジョンソン氏はトランプ氏の召使いに落ちぶれるかもしれません。

もしかしたら、ジョンソン首相は強固離脱を避け、メイ首相がEUと合意した方向に転換するかもしれません。それは彼が希代の大嘘つきであることを世界にさらすことになりかねません。権力を握るために、「離脱、離脱」と叫び続けて、国民と保守党の党員を欺いて党首に当選したのですから。

結果的に約束通り、EUとの合意なき離脱をした場合は、今は開いているアイルランドとの国境は完全に閉鎖されることになります。そうすると北アイルランドで独立運動が復活して、再び武装闘争が発生しかねません。私は30年ぐらい前にロンドンの裁判所を見学したときに、手荷物検査をされて驚きましたが、当時IRA暫定派による武装闘争でパリの裁判所の外壁には爆破された跡が残っていました。2005年7月にIRA暫定派が武装闘争の終結を宣言して武装解除(武器の放棄)してまだ15年にしかならないのです。

その他ブレグジットによる影響は、①英国経済に対し、1970年代の石油危機に匹敵する大きなマイナスのショックを与える。②貿易障壁が高くなることで、英国、EU双方の企業が打撃を受ける。③港湾・空港での通関手続きや検査、企業倒産、部品の備蓄などの措置の必要など種々の対応(莫大な時間と費用)が必要になる。④英ポンドの下落や株価への影響など、はかりしれないと言われています。

ブレグジットは少なくとも短期的には世界の政治と経済に大きな影響があり、直接的には全ヨーロッパにダメージが及ぶに違いありません。米や中ロは内心喜んでいるかもしれません。では日本にはどんな影響があり、私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。一緒に考えましょう。

新元号「令和」の意味(続)   (友好と平和の時代に)

[弁護士 吉田 恒俊]

桜とぼたんの華やかな時が過ぎて、鮮やかな新緑の季節が巡って参りました。前回令和の裏の意味を考えましたが、今回はそうは言っても戦争のできる国を目指す安倍首相の思い通りにはすべきでないとの思いで、「令和」をとらえ直しました。

新元号で騒々しかった世間も早くも落ち着いてきたようです。読者の皆様は1ヶ月半を経て、新元号「令和」に対する印象は変わりましたか。考案者の中西進氏によれば、令は「麗しい」、和は「平和」と「大和」を表現し、令和は『麗しき平和をもつ日本』という意味だそうです。前回述べた「令和」の裏の意味に加えて、この間私は「レイワ」という語感が冷たい感じがしてきました。令と冷の字が似ている上、発音が「霊」を連想させるからでしょうか。それに「令」の字は命令の令ですから、そこからも冷たい政治を感じさせます。

そうは言っても、令和はこれから元号としてあり続けるでしょうから、私は前向きにとらえたいと思い直しました。2つの文字は万葉集から採られましたが、それはまた中国の古典である文選という書物に源を持つものということが明らかになりました。

これまでの日本の元号は全て中国の古典(漢籍)から採用されたそうですが、だからといって今の中国を感じた人はいなかったと思うのです。中国の古典は同時に日本の古典であり、日本文化に根付いています。何ら恥じることはありません。仏教も中国から伝わって今や中国より日本で定着しています。西洋文化もルネッサンスでギリシャ、ローマの文化を承継して発展したものであり、ドイツやフランスの文化にとっても原点であることを誰も否定しません。文化を語るのに国にこだわる必要はないのです。

安倍首相があまりに「国書」を強調するので、逆にこれまで意識しなかった「中国」という国を私たちに印象づけることになりました。そこで、私は、新元号が日本と中国の双方の古典から採用されたものと受け止め、日本と中国ひいては日本と同じ漢字圏である北東アジアの平和と友好を象徴する言葉として、前向きの気持ちでとらえたいと思うのです。それよって、令和という時代が戦争のない平和な社会を作ろうとする人々を励まし、日本人の真の願いと現天皇並びに考案者の期待にも応える、本当に「麗しき平和をもつ日本」を実現させることにもつながるのではないでしょうか。

もっとも、仕事上年号と西暦との換算にいつも苦労しています。明治、大正、昭和、平成に加えて令和が入りますと、さらにややこしくなります。暦は一つに統一されるべきと考えます。裁判では1年でも間違いますと時には致命傷になりますから、換算にはことに気を遣います。それでも政治は年号を押し付けてきますから、それなら前向きにとらえようと思った次第です。
2019/05/12

新元号「令和」の裏の意味

[ 弁護士 吉田 恒俊 ]

4月1日に発表された新元号が「れいわ」について、安倍首相がもっともらしくその意味を語っているのを聞くと、何か裏があるのではないかと勘ぐりたくなるのは私だけではないと思うので、あまのじゃくと言われることを承知で投稿します。

ラ行が異例であることはさておき、漢字の碩学白川静先生は、令という文字は、「みことのり、言いつける、よい、せしめる、たとえ」などの意味があるとされる。令の本来の形は礼服を着けて跪いて神意を聞く人の姿である。黎明、令弟などいい意味で使われることが多いが、巧言令色の「令色」のようにうわべだけの愛想よしのように悪く使われることもある。せしめる、という意味は支配することを連想するし、もし・・・とかたとえ・・・のように仮にという意味もある。

そうすると、「令和」の裏には、平和を支配するとか、仮の平和などの意味が含まれているとも言えるのである。起案者がどんな学者であろうと安倍首相の意思を忖度して、このような表向きはいいことずくめであるが、裏には毒を含んだ元号を考え出したのではないかという疑問が消えない。国民を騙すことに長けた政権ならやりかねないと思うのはうがち過ぎであろうか。

新元号の名がレイワと聞いて、ラ行の読み方に違和感を感じた人は多いのではなかろうか。元来、ラ行音というのは外来音で、大和ことばにはなかったとされます。これまでラ行で始まった年号は霊亀、暦仁、暦応そして令和しかない。あえてラ行という異例の語感を持つ「令」という文字を持ってきたのは、安倍首相の深謀遠慮があると思わざるを得ない。

令和の時代の始まりにあたり、これまで以上に権力監視を強めて、裏の毒が表に出てこないように用心しなければならないと気を引き締めるのであります。
2019/04/03記す

夢のような10日間

[弁護士 佐藤 真理]

阪神タイガースファンの次男が、昨年からシーツ君(ポメラニアンの雄1歳)を千葉県の賃貸マンションで飼育していました。4月から研修医を終えて大学に戻るため、シーツ君と別れ、私たちが預かりました。

シーツ君は私が夜、帰宅すると、すぐ飛んで迎えに来て、私の手や顔をぺろぺろとなめまわします。散歩に連れて行くとチョコチョコと勢いよく駆けては、草をクンクンとかぎまわります。
妻が東京に出かけて留守をした夜は、シーツ君がすぐ足元で休んだため、私はよく眠れませんでした。

可愛いシーツ君との夢のような10日間が過ぎ、昨日、知人にお譲りすることになり、お届けしました。忙しい私は無論、妻も、最近、講演などに出かけることが多く、残念ですが、シーツ君との別れを決断しました。高校生のお嬢さんもおられ、可愛がってくれることは確実で、安心しています。

10年後、シーツ君の孫でも飼える日が来ることを楽しみに、心新たに、当面、弁護士業務と人権擁護活動に専念します。

シーツ君、本当にありがとう。元気で、長生きし、子犬も沢山つくってくださいね。
君のことは決して忘れません。

2019年3月11日

カテゴリー: sato

「臭い仲」

[弁護士 吉田 恒俊]

 新年から臭い話でお許し願います。
 正月の仕事始めの翌日、ばったりトイレで隣室の弁護士と会った。彼はちょうど小用を終わったところであることは腰を振っていたので分かった。こちらはトイレの入り口付近の洗面台のところにいたが、彼がこちらを振り向いたので構わず新年の挨拶をした。彼は慌ててチャックを挙げて「本年もよろしく」と言ってくれた。正月早々臭い仲になった。

 とは言え、最近トイレが臭くなくなったので感心する。公共のトイレも女性用は当然として男性用も臭いが少ない。我が事務所のビルはほとんど臭わない。禅寺での修行で一番つらいのは便所掃除だそうだが、最近はどうだろう。お寺のトイレも近代化しているのではなかろうか。

 理由は水洗に加えてウォッシュレットの普及であるが、男性用は立位トイレでの水洗の仕方もあるのではないか。立ったと同時に水が流れ、終わって離れる間際にも水が流れる。それも惜しみなく流す。その上でしっかり掃除すれば、トイレは座敷の仲間入りだ。ホテルで、バスタブと一緒にウォッシュレットがあるのに、かつては違和感を持ったが、最近はなくなった。文明の勝利と言えよう。

 私は奈良の田舎が祖父の家で、小学生の頃よく泊まったものだが、トイレは家の外にあった。冬は寒く、いつも臭ったが、外気と混ざるのでさして気にならなかった。田んぼの隅っこには肥料用の小便たんごがあって、屎尿が溜められていた。発酵させて野菜類の根元に撒くのだ。私も手伝ったことがある。小便たんごは始めは臭いが発酵して次第にそれが表面を覆い、落ち着いた臭いとなる。時にはいたずら小僧が誤ってそこに落ちると悲劇である。発酵しつつある屎尿でもやはり臭い。落ちた人は名前を変えるしきたりとなっていた。

 私のトイレでの新年の挨拶も、もう臭い仲と言えなくなったかもしれない。しかし、田舎の田園風景を思い出すと少し寂しい気がする。発酵してきれいな空気と混じって落ち着いた小便たんごの臭いが懐かしい。

<地球生命体の話 下> 宇宙は1400億年、地球生命はあと100年?

[ 弁護士 吉田 恒俊]

さて、宇宙は1400億年安泰という話から始まったお話も最後になりました。皆さんは宇宙人はいると思われますか?これまでの観測結果では「いない」という話になっています。何故いないのか?今回は宇宙的規模で高度な文明を持った生命体の存亡について考えたいと思います。

現在の人類は既に高度な文明を持ったと言えるでしょう。著名なアメリカの科学者は、人類は今後1000年スケールで太陽系に満ち、10万年スケールで銀河系宇宙に満ち、宇宙生命体として発展するであろう、と予測しています。それが事実なら、地球より何万年か前に発達した生命体により、今や宇宙は生命で満ち、宇宙人が頻繁に地球を訪問していなければならないはずです。

なぜなら、この銀河系だけでも太陽と同じような恒星が1000億個あります。その内1億個に地球型生命を持つ惑星があると仮定しますと、太陽を含めて1億個の恒星が高度な文明を持った地球型社会を持っていることになります。その10分の1すなわち1000万の惑星で宇宙旅行が出来るほどの高度な文明が発達したとすれば、銀河系だけでも1000万の星から何台ものUFOが宇宙を飛び回っているはずですね。ところが宇宙人がいないということは、宇宙旅行が出来るほど発展する前に、途中で滅んでいることになります。何故か?

詳しい計算根拠は分かりませんが、学者の計算では、宇宙では高度な文明を持った地球型社会は100年で滅んでいるそうです。歴史時代が始まって3000年で人類は地球生命の頂点に立って,今や地球を滅ぼすほどの高度な文明社会を築いていますが、この計算で行くと今から100年以内に人類は滅ぶことになります。その原因でもっとも可能性の高いのは核戦争・原発と環境破壊です。

第三次世界大戦はもう始まっている、という人もいます。アメリカでは最近も「人類滅亡後の地球」というドラマが作られています。
何だか嬉しくない結論ですが、現実を直視する叡智をもたなければならないと思います。

私たちは諦めてはなりません。このすばらしい地球を滅ぼしてなるものか!現代は、世界の中の「地球破滅やむなし勢力」と「絶対平和勢力」との対決の時代です。私たちは「絶対平和勢力」となって、「破滅やむなし勢力」と話し合い、時には身を挺してこの地球を守り、未来に引き継がなければなりません。

焦眉の課題は核戦争のおそれ、次に原子力発電と環境破壊が地球破滅の原因であることを肝に銘じて日々努力を怠らないようにしたいと思います。

<地球生命体の話 中> 宇宙は1400億年、地球生命はあと1万年?

[弁護士 吉田 恒俊]

前回、宇宙はあと1400億年は続くと申し上げました。ご承知のとおり、最新の宇宙科学によれば、この宇宙は147億年前にビッグバンから生まれ、約46億年前地球が誕生し、生命は、地球の誕生から6億年後の40億年前誕生しました。人類はおよそ800万~500万年前に現れ、現生人類ホモ・サピエンスは約25万年前に現れて現在に至っています。

この間、地球と生命体は様々な危険にさらされてきました。
例えば、①「ポールシフト」という地磁気の逆転です。逆転の境目の地磁気の存在しない状態では生物に有害な太陽風や電磁波、放射線などが地球に直接降り注ぐことになります。例えるなら、地球全体を電子レンジにかけるようなものです。人類は生き残ることはできないでしょう。地磁気逆転は数十万年ごとに起こることは地質学で明らかにされています。

さらに、②最近土星の気温が一気に84℃まで上昇したというのです。科学者たちは重力崩壊により土星内部で核反応が起きていて、近い将来大爆発を起こす可能性があると考えています。その影響でバランスを失った月が地球に衝突、または宇宙へ飛び去ってしまうと、地球の環境は大きく変化し、生物の大量絶滅を引き起こします。人類も例外ではないはずです。

その他、③米の巨大火山「イエローストーン」の噴火、④小惑星の衝突(既に国際スペースガード財団が設立され、日本も含め各国が小惑星の軌道を監視しています。)などが指摘されています。

その他、⑤新人類による侵略(現生人類がネアンデルタール人など他の人類を滅ぼしたように、新人類が発生すれば、現生人類は生存競争に敗れて滅ぼされる。)や⑥氷河期の到来(地球は今から約22億年前、約7億年前、約6億年前の少なくとも3度、全凍結したと考えられている。地球の全域が凍り「氷の惑星」と化してしまう。)、又は⑦遺伝子コピーミス(将来的には、完全にY染色体がなくなってしまうのではないかといわれています。)など、真面目に議論されています。

以上のいずれも、数百年ないし数万年単位の現象で、今日明日の問題ではないし、ほとんど人類の能力の限界を超えた問題です。しかし、100年単位で人類の滅亡をもたらす事態が懸念されるものがいくつもあります。

例えば、⑧スーパーウイルス(ヒトの免疫系を完全に回避できるインフルエンザが作られたところ、封じ込めに失敗し漏出。エイズよりずっと重い病気を引き起こすことになります。)、⑨コンピューターの暴走(囲碁のように人工知能が人類の知能を上回るとどうなるか、人類にはその先に待ち構えるものが全く分からない。飛躍的な進化した高い知能と自我を持った人工知能が、人類を絶滅に追い込むかもしれない。)、⑩大規模なシステム崩壊(世界規模での経済システムもしくは社会システムの崩壊。リーマンショックの何倍もの経済危機が想像される。)、又は⑪ガンマ線バースト(地球大気のオゾン層の約半分がなくなり、太陽からの紫外線が地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半を死滅させ、食物連鎖も破壊される。)など、人類の科学の発展が逆に滅亡の原因となるものが指摘されています。

これに⑫核兵器と原発そして⑬環境破壊がのしかかってきます。人類は四面楚歌の状態にあると言えるでしょう。高度に発達した生命体の行き着くところはどこか、次回は宇宙的規模からその話をしたいと思います。最終回をご期待下さい。
2018/10/08

<地球生命体の話 上> 宇宙は1400億年、地球生命はあと5億年?

[弁護士 吉田 恒俊]

ご存じですか?この宇宙が膨張を加速しています。だから、いつか風船が割れるように宇宙がばらばらに引き裂かれる日が来るに違いありません。その日は「ビッグリップ」と呼ばれて、宇宙最後の日であります。先日(9/26)、日米の研究チームがハワイ島のすばる望遠鏡を使った観測成果として、ビッグリップは1400億年先の話と発表したのです。私は、そんなに長く宇宙は安泰なんだと一瞬ホッとしました。ところがみなさん、地球の命はもっと短いらしいです。

地球は太陽のお陰で今の生命体を維持していますが、今から46億年後には太陽が寿命を迎えて膨張して、地球が丸焦げになって飲み込まれるか、今より大きな公転周期をとるかのどちらかになるそうです。しかし、実際はそれよりもずっと前の10億年後には、地球上の生命圏が終わりを迎えるんだそうです。

なぜかと言うと、太陽が今後光量を上げ続けて、遅くとも10億年後には海水が全て蒸発するか、蒸発しなくても5~7億年後には海水がマントルに吸収されて海は消滅してしまうからです。だから、天文学的には、地球生命の寿命は控えめに見てこれから5億年というところでしょうか。当然、水がなければ生命を維持することはできないので、地球上の生命は5億年後には終わりを迎えるということです。

何だ、5億年も先のことか、と安心しないで下さい。確かに、現生人類が誕生して25万年、そして人類の歴史が始まって約3000年ですから、5億年は途方もなく長い先のことです。しかし、だからといって我々は5億年安心して暮らせる、と思ったあなた、実はそうはうまく行かないのです。そのわけは次回に。
2018/10/02

安倍首相の「改憲暴走」が懸念される

[弁護士 佐藤 真理]

安倍首相が、今月20日の自民党大会で総裁3選を勝ち取り、その勢いで改憲国民投票に向けて暴走する危険性が高まっています。

来年4月の統一地方選挙、4月末から5月初めの天皇代替わり等の関係から日程的には困難との見方もありますが、96年参議院選挙時のように野党共闘が進展すると、来年7月の参議院選挙で改憲勢力が3分の2を割り込むことは確実です。

「改憲のチャンスは今しかない」と、安倍首相の意を受けて、自民党衆議院議員100人が秋の臨時国会に「改憲原案」を提出し、年内にも衆議院・参議院で採決を強行する可能性は否定できません。両院各3分の2以上の賛成で改憲原案を成立させて、改憲「発議」とし、2ヶ月間の国民運動期間を経て、来年3月までに国民投票の実施に踏み切る可能性が否定できません。

欠陥だらけの国民投票法の下での国民投票で護憲派が勝利できるというのは幻想と思います。3000万署名を成功させ、改憲発議そのものを阻止するために全力を上げることが、今、求められていると思います。

自由と人権、平和と民主主義の憲法を守り、活かすために微力を尽くします。
(2018年4月1日)

カテゴリー: sato

父との別れと非戦の決意

[弁護士 佐藤真理]

昨年12月13日、大分市内のホームで暮らしていた父が94歳で死去した。
6年前、母を肺がんで亡くしており、ついに両親がいなくなった。

十数年前から、親と別れる日が来ることを自覚し、なるべく、多く大分に帰省するように努めてきた。母が死去後は、どんなに忙しくとも月に1度は、帰省し、夕食を父と共にし、いろいろな話をしてきた。やはり我が家の子ども達の話が中心であった。家に一泊して翌日午前中に再訪問し、「男はつらいよ」などのDVDを見たり、囲碁を楽しむなどして来た。大津に住む妹も月に一度は帰省して種々の世話をしていた。

「100歳まで生きる」と言っていたのに、残念至極だが、4人の子ども達がそろって第1志望大学に合格し、長男と次男は、既に研修医として働いており、おじいちゃんとしては大満足であったようだ。

しかし、親は存在するだけでありがたいとしみじみ思う。父のこと、母のことを時々思い出しては、もっともっと大事にしておけば良かったとの悔いの思いを禁じ得ない。

あの悲惨な戦争の時代を生き抜き、戦後の苦難の中、私と妹を大学まで育ててくれた両親への感謝の念は尽きない。

まもなく終戦から73年。二度と愚かな戦争への道を歩んではならない。非戦の平和憲法を守り、活かしていくために、自由、人権、平和と民主主義の前進のために、微力を尽くす決意を新たにしている。
(2018年7月17日)

カテゴリー: sato

§米英仏軍のシリア攻撃の危険性

[ 弁護士 吉田 恒俊]

シリアの首都ダマスカス近郊での化学兵器使用疑惑を巡り、化学兵器禁止機関(OPCW)は4月10日、調査団を近く現地に派遣すると発表した。シリアと後ろ盾のロシアも派遣を要請しており、シリア外務省は調査団を「歓迎」し、「調査団に対して全ての必要な支援を提供する」と強調したと報道されている。

しかるに、米英仏軍は、その調査結果を待たないで、その数日後の14日、ダマスカス近郊の化学兵器関連施設3箇所をミサイル攻撃した。105発を発射し、その内14発は迎撃されたという。1回限りの非人道的兵器に対する破壊であり、戦争と言えないとの抗弁は成り立たない。明白な他国侵害であり、戦争とも言える事態である。

アメリカは事前にロシアと落としどころも含めて暗黙の了解を得た可能性はあるが、大戦争に至る危険な行動であると言わねばならない。ロシアが、シリアに対する攻撃はロシアに対する死活的に危険な攻撃と考えれば、国連憲章で認められている集団的自衛権の行使として、米英仏本土又は艦船に対する攻撃が国際法的には可能と考えられるからである。
集団的自衛権の行使は、かならずしもあらかじめ条約や協定によって約束されている場合にだけ許されるわけではない。条約上の根拠がなくてもこの権利を行使することが認められるとされている。
従って、ロシアとシリアの密接な防衛・軍事関係からすれば、両国の間にそのような条約がなくても、ロシアによる集団的自衛権の行使が可能であり、現実性を持っている。今後のロシアの出方に目を離せない。

さらに、今回のダマスカス攻撃は、シリアの化学兵器生産工場を破壊するものであり、その証拠を隠滅するものとも言える。OPCWの今後の調査は非常な困難を伴うこととなろう。ここにも、ロシアの暗黙の了解を推測させるものがあるが、だからといって今回のシリア攻撃が大戦争の危機をはらむものであるという評価は変わらない。核戦争が起これば人類は破滅に近い損害を受けることを忘れてはならない。          (2018年4月16日、記す)

9条改憲を許してはならない

[弁護士 佐藤 真理]

昨年5月、安倍首相は憲法9条の1項・2項はそのままにした上で、自衛隊の存在を明記する条項を付け加える9条改憲を2020年に実現したいと発言しました。

6年前公表の自民党改憲草案では「陸海空軍その他の戦力は保持しない。国の交戦権は認めない。」との9条2項を削除し、「国防軍を保持する」と明記していました。国防軍との名称ですが、その任務は、自衛のための活動だけでなく、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」=米軍指揮下の多国籍軍に参加し、海外での武力行使や兵站活動を行うことが含まれていたのです。

首相の自衛隊明記加憲案は、憲法9条の恒久平和主義に対する国民の支持が高いことから、国民投票を視野に、公明党などの抱き込みを意図した「変化球」です。首相は、「自衛隊の存在を憲法に明記するだけで、自衛隊の任務や活動にはなんら変化はない。」と述べていますが、真っ赤なウソです。首相がいうように、自衛隊が今でも合憲で、自衛隊明記加憲によって自衛隊の任務や活動内容になんら変化がないのであれば、800億円もの国費を使って国民投票をする意味はないはずです。

そもそも、憲法9条の改定は、国民の声ではありません。自衛隊明記加憲案には、立法事実(立法の基礎となり、その合理性を支える社会的経済的事実等)が存在していないのです。

首相らの本心は、自衛隊を「戦力=軍隊」と位置づけ、米軍とともに海外で武力行使できる「軍事大国」を目指そうとしているのです。

3月下旬に自民党が取りまとめた自衛隊明記加憲案は、集団的自衛権の「限定」行使を認めた安保法制=戦争法を合憲化し、集団的自衛権の全面行使を可能とし、憲法9条2項の空文化・死文化をもたらすものです。

森友学園の国有地取引をめぐる公文書改竄事件で、安倍政権による国民主権と議会制民主主義の蹂躙が大問題となる中、改憲に突き進む首相らの姿はあまりに異常です。

安倍内閣を早期退陣に追い込み、政治の流れを変えましょう。
(2018年3月26日)

カテゴリー: sato

安保法(戦争法)下の自衛隊で何が?

[弁護士  吉田 恒俊]

今回は、あるジャーナリストが収集した生情報をお伝えします。

全国の自衛隊では、いま米軍と同じ服装で、同じ武器を持ち、同じ軍事訓練がされているそうです。その結果、自衛隊の中の雰囲気は大変悪く、松島基地でも自殺、いじめ、鬱等神経の異常、強姦事件、更に殺人まで起きているそうです(極秘扱いになっています)。

さらに、航空自衛隊基地でファントムの整備士をしている方の話によると、今基地も雰囲気は非常に悪く、リストカットをする隊員も大勢いる、それに加えて家族への影響は大変なものがある。子どもたちの不登校、引きこもり、いじめ、鬱、家庭内暴力、家庭崩壊など、隊員の周りの人達への影響も計り知れないものだそうです。
こういうことが安保法の陰で進んでいるのです。

その中でも、安倍総理は、戦争をする自衛隊をめざして、本気で憲法特に9条の改正を進めているのです。自衛隊基地で起きていることは、遠からず大きな社会不安を起こすでしょう。

私の知人で、息子さんが自衛隊員で、いじめに遭って怪我をして、実家に逃げ帰ってきた人がいました。両親の抗議で警務隊(戦前の憲兵に当たる)が出てきて、調査をしましたが、予想通り有利な結果にならず、結局除隊することになりました。しかし、出動命令はないので脱走(脱柵というそうです)扱いにならないとしても、傷病扱いにならなければ懲戒処分がありうるので、正式の除隊までなかなか大変でした。

自衛隊は見え見えとして、日本の制度全般をアメリカナイズさせる企てが陰に陽に粘り強く進められています。司法制度も同様に例外ではありません。このことをしっかり認識して、抵抗する必要があると思います。

「家族農業年+10」(国連決議)

[ 弁護士 吉 田 恒 俊 ]

・私はこの40年間、家庭菜園をしています。もっぱら無農薬と有機肥料の野菜を食べたいという思いからです。最近25年間は自宅の隣の100坪の畑に食卓に上るものを中心に作っていますが、10分の1もまかなえていません。不足分はどうしても店で買う必要があります。

・市場に出ている野菜類も、最近は農薬や食品添加物への関心が高まって、一時とは違ってずいぶん改善されたと思います。とくに、私の知る良心的な農家は自身が食べる野菜を含め、売り物の野菜にもなるべく農薬を使わないように気を付けています。しかし、市場に出回る大規模農家の作る野菜類は、輸入品とともに、どんな農薬が使われているか油断できません。

・野菜類は地産地消であるべきで、市場原理に任せる大規模栽培はふさわしくありません。小規模・家族経営で顔の見える生産者の作るものならまだ安心できます。しかし、私は、家族経営農業で野菜を購入するなど夢のようですが、不可能と思っていました。ところが、世界的には、既に2014年を国際家族農業年として、小規模・家族農業の役割が見直され、支援に乗り出すための国際的な啓発活動が展開されたそうです。

その成果を踏まえて、昨年12月国連総会で、2019年から2028年までを国際的に家族農業の10年間(「家族農業年+10」)とすることが決議されたのです。日本も共同提案国だそうで歓迎したいのですが、素直に喜べません。政府は、現在さらなる農業経営の規模拡大や企業の農業参入、輸出戦略の強化を進めており、家族農業と矛盾するこのような路線を改めてもらわねばなりません。

・現在、世界約60か国にキャンペーンのサポーター組織があります。我が国でも、昨年6月、2014年以来運動を進めてきた関根佳恵(愛知学院大学) さんらが呼びかけ人となって「小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン」が結成され、12月には都内で設立発表会が開催されました。私は、早速賛同者となりました。これからどんな運動が展開されるか楽しみです。

あっという間に

[ 弁護士 吉田 恒俊 ]

あっという間に松の内も過ぎました。しかし、松の内と言う言葉を聞かなくなりましたね。本来松の内とは玄関前に門松が飾られている期間のことで、慣習的に関東では1月7日まで、関西では1月15日までとなっています。だから、今でも15日頃までは、今年初めて会う人には「新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」と互いに挨拶を交わすことが多いようです。

最近は門松はもちろん玄関の注連飾りもしない家庭が多くなって、松の内という言葉が忘れられるのも仕方がないかもしれませんが、寂しい気もします。年の功か、私などは15日が過ぎると正月気分を捨てて今年も頑張るぞという気持ちが沸き上がってくるから不思議です。

正月気分が抜けたところで今年の課題ですが、政治の動き、社会の動き、仕事のこと、家族と自分のことなど、しっかり認識して生きていきたいものです。

政治では安倍首相の任期が続くかどうか。これは国民の人気と関係が深いです。社会では冬季オリンピック・パラリンピックが順調にいくかどうか、そして核兵器禁止条約の国際的広がりと日本政府の対応が重要でしょう。

私の仕事では事務所の移転があります。今の事務所が建て替えのために出ることが決まっています。家族と自分のことでは平凡ですが健康の維持となります。思慮深く、思いやりを忘れず、天から与えられたこの命を大事にしたいと思います。

アベノミクスが崩壊して円の暴落と物価の急騰という大混乱が来ないことを願っています。そうなれば今年の課題など吹っ飛んでしまいますから。

 

大人の階段

[弁護士 山下 悠太]

最近、高校時代の友人と会う機会がありました。彼は大のヒップホップ好きで、学生時代はドレッドヘアーに上下ダボダボの服、という完全なB-BOYファッションだったのですが、その日京都駅に現れた彼は、なんと!ポロシャツにチノパン、ジャケットという出で立ちだったのです!曰く、「最近はこんな感じにしていこうと思って。」とのこと。

彼は高校時代は学年1、2を争う落ちこぼれで、どんなに留年の危機が迫っても決して午前中に登校することはなく、また決して授業中に目覚めていることもありませんでした。ロースクールに進学後も決して勉学に打ち込むことはなく、彼は私にとって最後の砦であり、大変心強く思っていたものです。

ところが彼も30を過ぎ公務員となり父となり、さすがにB-BOYという訳にもいかなくなったのでしょう。爽やかな出で立ちで、「今度の土曜は息子の100日健診やから。」などと言い出すのです。

思い出はいつも綺麗だけど、前に進まなくてはいけません。ということで、私も最近、服の断捨離をしています。断捨離した(しつつある)服をいくつか紹介したいと思います。

① ノースリーブのデニムのライダースジャケット(ダメージ加工あり)
大学時代に原宿で購入しました。さすがに着れないので従兄弟に送ろうと思います。

② トルネードマートの花柄シャツ
大学時代に渋谷で購入しました。当時花柄シャツが流行っていたこともあり、我が家には花柄シャツばかりが大量にあります。従兄弟に送ろうと思います。

③ ゴルチエの足首まである黒いロングコート
大学時代に尊敬する先輩からいただきました。90年代のビジュアル系バンドが着ていたようなコートですが、さすがに着れないので古着屋に売りました。3000円でした。無断で売ってすみません。

④ 真っ白なヘビ柄でブーツカットのズボン
大学時代に渋谷で購入しました。当時ブーツカットが流行っていたこともあり、我が家にはブーツカットパンツばかりが大量にあります。従兄弟に送ろうと思います。

⑤ 黒い革パーカー(コウモリのマーク付き)
大学時代に原宿で購入しました。従兄弟に(以下略)。

こんなものばかり送りつけて、さすがに従兄弟もキレかねないので、いくつかは普通に使えるアイテムも混ぜておくのがコツだな、と思っています。
クローゼットを整理して、大人スタイルを目指して行く所存です。

秋祭り

[長畑 学]

田舎の祭りに帰って来ました。見物にというより、要員としてです。両親ともに亡くなり、実家には誰も住んでいないので、知らない顔をしていてもよいと思うのですが、「帰る、どうする」と電話がかかってきた上、家もそのままあり、お世話になることもあるし・・・。そんなこんなで田舎との縁を切れぬまま、部落務めの真似事をしに帰りました。

神社は、元々氏子が6つの小字からなる小さなものです。それでも私が子供の頃は、各字が輪番で(要員の)当番を務め、祭りの中心である獅子舞の奉納は、青年団が務めていました。加えてあまり記憶がないのですが土俵もあったように思います。

今は、超高齢化と超過疎化で小字単位で当番を行うなど到底無理。それで、氏子全員が神社の清掃から始まる準備・運営を行っています。獅子舞は保存会が結成され何とか継承されています。祭り囃子の太鼓を担当するのは、父と同級生の90歳を目前に控えた方。笛はラジカセ頼りです。

いつ、絶えてもおかしくないようなお祭りですが、今年は、ちょっと嬉しい場面がありました。これまで、長年、獅子頭を務めてきた方に代わって、その息子さんが後を継いだこと(81歳から53歳へのバトンタッチ)。また、保存会メンバー9人の内、3人は移住者で、1人は定年退職組ですが、後の2人は30代とのこと。1人は今年8月に移住してきたばかりだそうですが、立派に獅子の後ろ足を務めていました。

私自身、後何年お務めできるかわかりませんが、できる限りやろうか。そんな思いでいるこの頃です。

(追伸)
田舎が氏子の神社はもう一つあります。こちらは旧村全体をエリアとする神社で、上記神社の本社のようなものです。
こちらの祭礼は、「梶並神社」でネット検索してもらえば、ヒットします。ちょっと変わった祭りです。

2017年10月23日
長畑 学

総選挙で安倍政治を終わらせよう

[弁護士 佐藤 真理]

安倍内閣は、本年6月、「森友学園」「加計学園」問題での安倍政権による国有財産や国政の「私物化」疑惑に対する野党の追及を避けるために通常国会を早々と閉幕しました。

野党4党が6月22日、憲法53条に基づいて、臨時国会の開催を要求したところ、安倍政権はまともな理由も示せず、拒否し続けました。憲法53条には、「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならない。」と明記されています。期限の明記はありませんが、「すみやかに召集」する義務があることは明らかです。(ちなみに、自民党の2012年改憲草案には、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない。」とあります。)

野党の要求から3ヶ月余りも遅れて、臨時国会が9月28日にようやく召集されることが決まりましたが、突然、安倍首相は、臨時国会の冒頭で衆議院を解散し、10月下旬に総選挙を実施する公算が確定と報道されています。
民進党から離脱者が相次ぐなど混乱しており、立憲野党4党(民進・共産・社民・自由)の本格的な共闘態勢が整っていないとみて、森友・加計学園問題での野党の追及を受ける前に解散に踏み切ろうというのです。
「国会で追及されるのを逃げる自己保身解散」(前原民進党代表)であり、党利党略のご都合主義解散といわなければなりません。
しかし、解散権行使のご都合主義批判よりも、ついに主権者国民が安倍暴走政治「ストップ」の明確な審判を下す時が到来したと歓迎すべきではないでしょうか。

安倍内閣は、この3年間、国民の批判の声を無視して、特定秘密保護法(2013年)、戦争法(2015年)、そして今回の共謀罪法と、強行採決を繰り返してきました。
7月2日の東京都議選挙で自民党は歴史的な敗北を喫し、安倍首相は「スケジュールありきではない」と改憲日程について「軌道修正」的発言もしましたが、任期中の改憲(それも「9条」改憲)を目指すとの方針に変更はありません。

憲法施行70年の5月3日、安倍首相は、憲法9条の1項、2項はそのまま残し、新たに自衛隊の存在を憲法に明記する憲法「改正」を東京五輪開催年の2020年に施行することを目指すと公言しました。
「9条加憲案」は、国民の多くが支持している自衛隊の存在を憲法に明記することで、違憲の疑いを晴らし、いざという場合に命がけで働く自衛隊員の士気を高めるために必要で、自衛隊の役割に何ら変更を加えるものではないとの説明がしきりにされています。

しかし、重要なことは、自衛隊は、かつての「個別的自衛権の行使のみを認める」(1972年政府見解)の自衛隊=「専守防衛」の自衛隊ではなくなっているということです。今日の自衛隊は、7・1閣議決定(2014年)に基づいて制定された「戦争法制」で容認された存立危機事態での集団的自衛権の行使や戦闘地域での米軍等への弾薬輸送を含む兵站活動等を担う自衛隊です。
9条加憲案は、戦争並びに武力の行使及び威嚇を禁止し、一切の戦力の保持と交戦権を否認した9条1項、2項と激しく矛盾し、9条1項、2項の空文化を招くことは明らかです。

安倍首相は、祖父岸信介が果たせなかった憲法「改正」を実現した首相として歴史に名を残したい、日本を再び「戦争する国」、軍事「大国」にしたいとの異常な執念に取り憑かれています。
自公と維新は衆参両院で3分の2以上の議席を保有していますが、今度の総選挙で、昨年夏の参議院選挙以上に、立憲野党の選挙協力ができると、与党は議席を減らし、衆議院3分の2を大きく割り込むことは必至です。安倍改憲を許すか否か、財界大企業に奉仕し、国民の暮らしを蔑ろにする安倍政治を転換する道に踏み出せるのか、重大な岐路に立っています。

安倍改憲阻止、野党連合政権樹立のために微力を尽くす決意です。
今月8日に発足した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が提唱する3000万署名にも、是非、ご協力下さい。
2017年9月19日

カテゴリー: sato

孫達との夏休み

[ 弁護士吉田恒俊 ]

 静岡に住んでいる専業主婦の娘は夏休みにはいつも3人の孫を連れて帰ってくる。今年も8月1日に来て19日に戻っていった。その間、私と妻は大忙しである。特に私は遊びと宿題の相手をしたり、おもちゃや本を買ってやったりとスキンシップでのお付き合いである。ゆっくり新聞を読む暇もない。

 女児4歳、同6歳、男児9歳の3児は同い年のように遊んでいる。喧嘩をしても、お兄ちゃんだから譲ってやるという発想はない。最近の傾向のようだが欧米流に対等に育っている。3人とも昆虫が好きで動く物はムカデや蜂を除いて何でも捕る。セミ、トンボ、バッタからカエルやザリガニも好きである。上の子と下の子などは平気でカエルやトカゲをつかむ。私と違って蛇も恐くないらしい。

 感心なのは夜になったら、その日に捕った生き物は全部逃がしてやることだ。男の子は始めは悔しそうにしていたが、死んだら可哀想という娘や私の教えに従ってくれる。

 東吉野村の旅館に1泊して川遊びをしたときは、子供らは澄んだ冷たい川に浸かって魚を追いかけていた。空気も綺麗である。ところが、部屋は掃除が行き届いているとは言え、ススメバチが紛れ込んできたりすると、大騒ぎになる。生の自然と接することの少ない子供らには驚異のようである。都会派の娘などはお化け屋敷のようだとひどいことを言う。ディズニーランドや遊園地など人工の「快適な」施設での遊びに慣れている子ども達には、もっと自然と付き合ってほしいと思う。
 
 宿の女将さんは、沢山の子ども達のグループは、来ても川遊びをしないで離れたプールに言ってしまうと嘆いていた。20日から静かな時間が戻って、土日返上で溜まった仕事をやるという毎年のパターンも、終わったら寂しいものである。

目に余る安倍内閣の暴走 ――「共謀罪」成立

[弁護士 佐藤 真理]

生命、身体、財産などを侵害する犯罪「行為」を処罰するのが刑事法の大原則。これをくつがえし、犯罪を「計画」(合意)しただけで国民の内心を処罰し、「監視社会」をもたらすのが「共謀罪」です。共謀罪の対象犯罪は277もあり、刑法に規定されている約170の犯罪数を大幅に超えています。

人権擁護と社会正義の実現を標榜する弁護士会は、強制加入団体(どこかの弁護士会に登録しないと弁護士業を行えない)ですが、日弁連及び全国の52単位弁護士会はこぞって、共謀罪法案に反対してきました。共謀罪法の成立を受けて、この違憲立法の廃止を目指して、適用させない取り組みをすでに開始した弁護士会もあります。

法曹界のみならず、学者・文化人、日本ペンクラブ、9条の会、ママの会、未来のための公共(若者)など広範な市民が反対運動に立ち上がりました。どの世論調査でも、「今国会で急いで成立させる必要はない」が7割、8割を超えていました。

ところが、共謀罪法案は、衆議院の法務委員会と本会議で強行採決され、参議院では、わずか18時間しか審理が行われていない段階で、本会議へ「中間報告」して、法務委員会の審理を打ち切り、委員会採決を省いて、本会議採決を強行するという暴挙に及んだのです。

安部首相は「丁寧に説明を積み重ね、国民の皆さんのご理解を得たい」などと口では言いながら、特定秘密保護法(2013年12月)、戦争法(2015年9月)そして今回の共謀罪と、対決法案の強行採決が常態化しています。

今回の「加計学園」の獣医学部新設に安倍首相や萩生田副官房長官ら側近が深く関与しているとの文科省文書が次々と明らかになる中、追及を逃れるために政府は国会閉幕を急いだのです。「森友学園」を含め、安倍政権による国有財産や国政の「私物化」は目に余ります。

共謀罪の強引な採決と露骨な「疑惑隠し」を狙った国会閉幕・審議拒否に対し、国民の怒りが広がっており、安倍内閣の支持率は10ポイント前後も急落しました。

ようやく、安倍首相の本質が国民的に露呈されつつあります。「憲法改正」を実現した首相として名を後世に残したいとの安倍首相の野望を阻止するために、今年の暑い夏も頑張る決意です。
(6月26日)

カテゴリー: sato

まさか

[田原 隆子]

数年前から 友人に貰い受けたメダカを飼っています
冬の間はじっと鉢の底に沈みこんでまったく姿をみせませんでしたが
春の陽気とともに水面に顔をのぞかせるようになりました

数日前から糸のように細くて小さい稚魚が泳ぎ始めました とてもかわいい
卵はたくさん産んでいるはずだけど 泳いでいるのはたった3匹だけ
がんばれよ 一所懸命食べて大きくなれよ などと話しかける
心安らぐひとときです

ところで 昔は小川で当たり前に泳いでいたのにその姿を消しました
農薬が原因とも言われていましたが 近ごろ様子が違うようです
報道によると 川へ捨てられた外来種の魚が繁殖し ふなや日本メダカがいなくなっているらしいです
恐ろしいカミツキガメもあちこちで繁殖しているとか

そういえば 近ごろ外資系の会社が台頭していますね
日本企業が外資系に食べつくされやしませんか
まさか

そして 安倍一強で やりたい放題がまかり通っている現状
株価の高値と就職率の高さが魅力らしいですが
目先の利益に目を奪われている間に 個人は国家権力に監視され 物言えぬまま戦争に巻き込まれる社会へと・・・
まさかではない

NO BEER, NO LIFE

[弁護士 山下 悠太]

先日、人生で初めて健康診断に引っかかるという憂き目に遭ってしまいました。特に数値が高かったのが尿酸値で、プリン体を含む食物を極力控えないといけなくなりました。プリン体の多い食物といえば、なんといってもビール。私は全てのお酒の中で一番ビールが好きという生粋のビール党なのですが、しばらくの間は我慢せざるを得ません。

しかし友人からはぽつぽつとビアガーデンの誘いが舞い込んできています。もうそんな季節なのですね。ビアガーデンへの誘いを断れるのか、あるいはビアガーデンに行ってもビールを飲まずにやり過ごせるのか、真価が試されているといえましょう。

まさに今も(5月31日夜)、打合せを全て終えた佐藤弁護士から缶ビールを勧められました。解放感たっぷりに喉を鳴らす佐藤弁護士を尻目に、ビールの誘惑と戦っています。

違憲の「共謀罪」を廃案に追い込もう

[ 弁護士 佐藤 真理 ]

今月11日、自民・公明と維新が「共謀罪」法案について修正合意に達し、今週にも衆議院で同法案が強行採決される危険が高まっています。
しかし、3党の修正合意は、共謀罪の捜査にあたり適正の確保に十分配慮すること、取り調べの録音・録画の制度のあり方を検討すること等に過ぎず、修正の名にも値しません。

共謀罪法案は、「犯罪行為」に及んだ場合に処罰するという刑法の基本原則をくつがえして、二人以上の人が犯罪行為を「計画・相談」しただけで処罰できるとする人権侵害の恐れの強い違憲の法案で、過去3回廃案となっています。

安部首相は、テロ対策の法律であり、従来の共謀罪と違い、一般市民が対象とされることはないと繰り返していますが、事実を偽るものです。
労働組合の活動、憲法改悪反対・原発反対・沖縄辺野古基地建設反対などの市民団体の活動に対し、捜査当局の判断だけで「組織的犯罪集団」に一変したと認定されて、不当弾圧を受ける危険性があります。

例えば、労働組合が賃上げを要求し、社長が応諾するまで徹夜覚悟の団体交渉をしようと皆で意思統一すると組織的監禁罪の共謀成立となりかねません。地域住民が高層マンション建設反対運動として座り込みを相談・計画し、住民を動員する連絡を分担したら、組織的威力業務妨害罪の共謀が成立となりかねません。

「共謀罪」の処罰のためには、捜査手段のいっそうの強化が必要となり、盗聴、盗撮などの拡大につながります。昨年5月の刑事訴訟法の一部改正で警察による盗聴(通信傍受)の対象が一般犯罪まで拡大され、電話やメールの盗聴が可能とされています。さらなる盗聴、盗撮等の拡大により、警察国家化が懸念されます。

特に、恐ろしいのは、自首すれば刑を減軽又は免除するとの規定が用意されていることです。戦前の治安維持法時代には、特高警察が共産党や民主団体にスパイを潜入させて、スパイの自首により、活動家を一網打尽にし、スパイだけは刑を免れるという事例が頻繁に見られたことを想起すべきでしょう。
相互監視の息苦しい社会、警察国家は戦争への道です。

共謀罪法案を4度、廃案に追い込むために、皆さん、語り合い、街頭にもでかけましょう。
(2017年5月15日)

カテゴリー: sato

事務所法律講座(相続と遺言)のご報告(第3回)

[弁護士 吉田 恒俊]

最終回です。最後までのご高覧誠に有難うございました。

5 課税との戦いで解決した事例
2015年1月以降、相続税の非課税の枠が「5000万円+法定相続人の数×1000万円」から、「3000万円+法定相続人の数×600万円」となり、最高税率も50%から55%になり、大幅に増額されました。節税対策はますます重要になっています。

下記事例は、不当な更正処分を跳ね返した事例です。なかなか大変でした。⑧の事例では、国を相手に不当課税だとして、国家賠償訴訟まで起こしました。高裁で納税者が勝利しました。真っ青になった国(税務当局)は最高裁に救いを求めて、何とか面目を保つというところまで追い込みました。⑦、⑧事件とも弁護士冥利に尽きる戦いであり勝利でした。

(1) 解決事例⑦ 私は、公認会計士と一緒に、被相続人生前中から相続対策を行った。主なものは①養子縁組と不動産の購入とその資金の借り入れであった。しかし、これらを実行した時点で、被相続人の様態が急変して意思能力を欠いていた。そのため、負債が認められず、莫大な税金が課せられた。 私は、異議申立を経て、不服審判を申し立てて、仮に借り入れ当時意思能力を欠いていても、それ以前から相続対策についての委任を受けていたのであるから問題はない、として強く争った。その結果、採決ではこちらの言い分が全面的に認められて、課税額は大幅に減少した。実益は約15億円であった。

(2) 解決事例⑧ 紙器製造業者が政務調査に非協力的であったとして、反面調査で売上額調べ上げ、それから申告にかかる経費を差し引いて利益を推計したので、税額は申告の20倍にも及ぶものとなった。私は、経費も反面調査すべきであること実額課税が原則であることなど、更正処分の不当性を突いて、税務訴訟を提起し、大部分を取消させた。
以上

事務所法律講座(相続と遺言)のご報告 ( 第2回)

[弁護士 吉田 恒俊]

前回の続きです。

3 遺言をした上で解決した事例
子ども達が仲良く遺産を分割することが、亡き親として何より嬉しいことでしょう。

(1) 解決事例③ 98歳でなくなった医師は、生前は奥さん亡き後20年以上も2人の女性に世話をして貰っていた。羨ましい御仁であった。子供は7人。彼は公正証書を作り、2人の女性に少しと、大部分の遺産を子らに公平に分ける、という内容的には平凡なものであった。但し、分け方はすべて遺言執行者である私に任せるというものであった。
財産は、預金、株式、ゴルフ会員権、不動産など沢山あったので、毎週土曜日に全相続人に長男さんの家に集まって貰い、皆さんの意見を聞きながら、具体的な分け方を検討して、分割案を練り上げていった。欲張りなことを言う人が一人でもいたら、私が遺言に基づいて強制的に分けますと、念を押したので、7,8回の集まりの最後まで円満に分割が終わった。

(2) 解決事例④ 会社の会長さんで、亡くなる半年ぐらい前に私が病院のベッドに見舞いに行ったときに、自筆証書遺言を作った。すべてを長男である社長に相続させるというものであった。会長の子どもには長男、長女、二女及びお妾さんに子が一人いた。自筆証書であっても法的効力は公正証書と何ら変わらない。この遺言のお陰でもめることはなく、他の相続人には遺留分として金銭で解決した。

4 相続人がいない解決事例
近しい人でも相続関係にない場合があります。その方には法定相続人がおらず、多額の財産を残してなくなった場合、遺産は宙に浮きます。そんな場合、近しく付き合っていたり、面倒を見ていた人は、特別縁故者として遺産の一部を取得できる場合があります。

(1) 解決事例⑤ 叔父さんがなくなり、その妻Aがいるが相続人はいない。義理の甥に当たる依頼者は、Aさんの療養看護を10年以上続けてきた。Aさんはかなりの財産を残してなくなったので、私は家裁に相続財産管理人の選任を求め、次いで依頼者を特別縁故者として遺産の分与を求めた。全財産の分与が認められた。

(2) 解決事例⑥ 私が相続財産管理人として関与した事例で、姪が亡くなり叔母2人が葬式など最後の面倒を見ただけというのがあった。1億円以上の遺産があったが、特別縁故で一人300万円が認められ、残りは国庫に入った。生計を同じくせず、療養看護もしていない場合としてはこんなものであろう。

☆次回は、「5 課税との戦いで解決した事例」の中から、2例を報告します。ご期待下さい。

事務所法律講座(相続と遺言)のご報告 ( 第1回)

[弁護士 吉田 恒俊]

1 はじめに
去る2月18日に、事務所主催で市民向け法律講座を開きました。私が「相続と遺言」のテーマで講師を務めました。参加は約10人で宣伝不足だったと思います。でも、皆さん熱心にお聞き下さいました。

自分の財産を思い通りにつかいたいという当たり前のことが、認知症や痴呆はなくても身体が弱ってできなくなることがあります。死後は当然何もできません。それをサポートするのが成年後見制度であり、遺言制度です。
体と頭が動けなくなってから後悔しないために、制度の利用をお勧めします。子どもや知人がいる人も含めてよく考える時代環境にあると思います。
相続税を節税するということも大切で、私は税理士と組んで対応しています。法律家の目から見た節税対策という視点が重要だと考えております。

以下、今回を含め3回に分けて、講演を基にして私の解決事例をご報告いたします。

2 遺言のない場合の解決事例
親としての最大の不幸は遺産を巡って子どもらが喧嘩することではないでしょうか。草葉の陰から後悔しても始まりません。

(1) 解決事例① 農家で長女が後を継いでいたが、次女も近くに住んで、農地の一部を耕作していた。父母が亡くなって相続が始まると、次女は2分の1の法定相続分を要求した。大部分を相続しようと思っていた長女は怒り心頭に発して、遺産分割解決後も不仲になってしまった。私は、長女の代理人として、寄与分を大きく主張してかなり次女に譲歩させた。

(2) 解決事例② 自宅で父と食品製造の家業を一緒にやってきた長男には、長男名義の不動産はなかった。調停で妹と弟が唯一の遺産である実家を売却してでも分けよと言う。長男にはお金を払うだけの資力はない。こんな場合、できるだけ時間をかけて、裁判所の流れに任せて、安易に自宅を売却することはしない。妹らが諦めるのを根気よく待つ作戦をとる。成功の確率は高い。

☆次回は、「3 遺言をした上で解決した事例」及び「4 相続人がいない解決事例」、次々回は、「5 課税との戦いで解決した事例」の中から、各2例ずつを報告します。ご期待下さい。

近くて遠かった奈良

[弁護士 山下 悠太]

皆様、はじめまして。昨年12月から奈良合同法律事務所で執務を開始しました、山下悠太と申します。

出身は一応、奈良です。一応、というのは、実家は奈良にあるものの、奈良を拠点に活動した経験があまりないからです。小学校時代は、大阪の八尾市で育ちました。中学生のときに奈良に引っ越してきましたが、中学高校は神戸まで通いました。大学は東京。法科大学院は神戸。司法修習も神戸。というわけですので、奈良に実家があるわりには、あまり奈良を知らないのです。

しかし2ヶ月とはいえ、いざ勤務を開始してみると、どんどん奈良のことが見えてきます。多くの依頼者さんとお話をしました。事件や事故の現場もたくさん回りました。そのたびに近くて遠かった奈良の現状を知ることができ、毎日新鮮な気持ちで仕事に取り組んでいます。

新人の立場に甘えることなく、日々研鑽を積んで参ります。ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

生活保護担当職員の「保護なめんな」ジャンパーに驚き

[弁護士 佐藤 真理]

神奈川県小田原市の生活保護業務を担当する生活支援課の歴代職員64人が「HOGONAMENNA(保護なめんな)」とローマ字でプリントしたジャンパーを自費で作成し、業務中に着用していたことが判明した。ジャンパーの胸には漢字の「悪」をデザインしたエンブレムがあり、背面には、「我々は正義だ」「不当な利益を得るために我々をだまそうとするならば、あえて言おうクズである」などと英語で書かれている。

2007年7月に窓口で職員3人が生活保護を打ち切られた男に切り付けられるという事件が発生し、それがきっかけで、「気分を高揚させ、連帯感を高めよう」と当時の職員が始めたようだと報じられている。

しかし、そういう事件がきっかけというなら、何故、保護打ち切りの対象者が激怒したのか、保護打ち切りを回避する道はなかったのか等の真摯な検討が必要だったのではないだろうか。生活支援課の職員らには、生活保護は憲法25条で保障された権利(生存権)であるとの意識が欠如していたのではあるまいか。

許しがたい事件であるが、背景には、国の方針に基づき生活保護受給者を削減しようとの「水際作戦」がある。市町村窓口では、保護申請を容易に受け付けようとしない傾向があり、保護開始まで時間がかかり苦労した経験が何度もある。

2014年9月、千葉県銚子市内の県営住宅で家賃滞納のため強制撤去となったその日、43歳の母親が無理心中を決意し、中学2年生の娘を殺害した事件がある。健康保険料も滞納するほどの生活苦で、母親は「家を失ったら生きていけない」と思い詰めた果ての事件であった。千葉県が家賃の減免措置をとらずに明け渡し請求訴訟、強制執行に及んだこと、市役所の窓口に二度も訪れた母親に「申請してもお金はおりない」などと述べて、生活保護の申請を勧めなかったこと等が判明した。母親は、刑事裁判で懲役7年の実刑判決を受け、今受刑中である。真に裁かれるべきは、憲法25条を踏みにじる、政府と行政の責任ではないだろうか。(新井新二外編『なぜ母親は娘を手にかけたのか(居住貧困と銚子市母子心中事件)』旬報社を参照ください)

第193国会が今月20日から始まり、安部首相は、施政方針演説で「かつて毎年1兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びは、2016年度に続き、2017年度予算案でも5000億円以下に抑えることができた」と胸を張ったが、社会保障のさらなる連続改悪が狙われているのである。大企業の経常利益は、3年間で1・5倍近くに増え、大企業の内部留保は386兆円に達している一方、労働者の実質賃金は4年前に比べ年収が19万円も減り、家計消費は15か月連続でマイナスとなっている。働きながら生活保護基準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、20年前の就業者世帯4・2%から同9・7%と2倍以上に増加するなど、貧困と格差が急速に広がっている。軍事費は5年連続で5兆円を越え、海外派兵型の装備を増強している。まさに、「大砲よりバターを」に逆行する予算と言わざるを得ない。

「米国第一」を宣言するトランプ米国新大統領のもとで、「日米同盟第一」を唱えて、さらに米国にすり寄ろうとする安倍政権は、最悪の組み合わせである。在日米軍基地のさらなる負担増ばかりか、戦争法発動により、米国の戦争に巻き込まれ、自衛隊員が「殺し殺される」事態に直面しつつあることが強く懸念される。

安倍政権を早期に退陣に追い込み、憲法が活かされ、「誰もが人間らしく生き、働ける社会」の実現を目指して、今年も頑張る決意である。
(2017年1月30日)

カテゴリー: sato

里山

[ 事務局 田原隆子]

大和郡山市矢田町に、里山を生かし古民家を移築した奈良県立大和民族公園があります。四季それぞれの花が楽しめますし、果樹もたくさん植えられており、高齢者の散歩や子供たちも自然に触れることができ、元気いっぱい遊びまわれるところです。

私もときどき散歩に行くのですが、あるとき畑や小高い丘の斜面が掘り起こされていました。よく見るとイノシシの足跡がついています。矢田丘陵の里山は、イノシシや猿の出没で、畑や田んぼを荒らされているのです。農家のおばぁちゃんは、何を植えても食べられてしまうから、もう辞めや、なんてこぼしています。

ずいぶん前に、当事務所の吉田弁護士が奈良の鹿愛護会を相手に鹿害訴訟を取り組んだことがありました。保護されて増えすぎた鹿が市民生活を脅かしていたのです。その後、野生の鹿も増え、イノシシも出没、農家の被害はより甚大になっていることと思います。

また、今年は害虫による菌の繁殖で「ナラ枯れ」が大発生しました。これは社会的要因も大きいそうですが、たくさんの木が枯れてしまいました。

里山の恵みは人間だけのものではありませんが、かつて住み分けがうまくいっていた時代があったのです。自然を守り、豊かに暮らせる地球環境を取り戻そうとする「さとやま組合」という農事組合法人が矢田地区で活動していることを最近知りました。里山の魅力を守り、自然豊かに美しく有り続けますように、私たちの小さな一歩が求められています。

「弁護士の年収が低下」?

[弁護士 吉 田  恒 俊]

先日の新聞に弁護士の収入が低下したという記事が出ていました。今年の3月に法務省が日弁連の協力を得て平成15年分について実施した調査結果の報告です。マスコミに人の懐具合を気にして貰わなくてもいいと思いますが、憲法と人権の擁護者としての弁護士の収入が低すぎたら、それどころではなくなるだろうという温かい配慮なのでしょうか。

記事によれば、5年前の平成10年に比べて、弁護士の収入は全体的に低下傾向にあります。登録1年目の新人弁護士は年収568万円で、5年前(平成10年)の778万円より27%も減っています。その原因として、サラ金事件が減ったことと弁護士の人数が増えたことを挙げています。それに加えて、日弁連は法的需要が伸びていないことも指摘しています。

気になったのは、「弁護士が以前ほど稼げない実態が浮き彫りになった。」との記事です。弁護士になる人は稼ぐためになったかのようで抵抗がありました。私は、どんな職業も稼ぐためというより、社会的役割という要素が大事だと思うのです。誰もが生活のために働いていることは間違いないのですが、同時にほとんどの職業には社会的役割があります。

今の職業を天職とする人にとっては稼ぎよりも仕事の方が大事なのです。人生の目的は自分の天職が何かを見極めてそれに邁進することだと思いますが、仮に今の職業が天職と思わなくとも、その社会的役割を自覚して取り組むという姿勢を常に心がけるべきだと思うのです。

確かに、私を含め多くの弁護士は収入が減っていると思いますが、幸いこれまで身近で食い詰めた弁護士は見かけませんでした。私は、大阪で弁護士になったときの所長弁護士から、「人のためにやっているという気持ちがあれば、困ったときは必ず誰かが助けてくれるから。」と教えられたことを思い出します。誰もが稼ぎだけを追い求めると、ぎすぎすした社会になりかねません。

日経の記事は意図するところはともかく、全体として弁護士の評価を引き下げています。この記事を見て司法試験の受験者がさらに減ることが心配です。
*日本経済新聞16/8/10朝刊

南スーダンから自衛隊の即時撤退を求める

[弁護士 佐藤真理]

政府与党が、多数の国民の声を無視して、安保法制(戦争法)を数の力で成立させた「9・19」から1年以上経ちました。今年の9・19には、全国300か所以上で、戦争法廃止、立憲主義回復を求める集会・デモが行われ、近鉄奈良駅前でも600人集会が開かれ、私が主催者を代表して挨拶しました。

1992年のPKO法制定後、日本はPKO参加5原則<停戦合意の成立、受入れ同意、中立的立場の厳守、これらの要件が崩れた場合には部隊を撤収する、武器使用は生命の防護のための必要最小限に限る>のもとで、自衛隊の海外派遣に踏み切り、国連PKOに参加してきました。しかし、国連PKO自体、かつての停戦監視・兵力引き離しなどを中心とする活動から内容が大きく変化しており、南スーダンPKOを含め、国連安保理から武力の行使を容認されるのが通例となっています。

南スーダンでは、本年7月に大統領派と副大統領派の大規模な戦闘が発生し、市民数百人や中国のPKO隊員が死亡しています。アムネスティ・インタナショナルは、この7月の戦闘の際、政府軍が多数の住民を虐殺し、レイプや略奪を行ったとする報告書を公表。同報告書では、反政府勢力が国連の避難民保護施設に逃げ込み、避難民を「人間の盾」にしたこと、国連施設の真正面で5人の兵士にレイプされた女性の証言なども紹介し、国連PKOが住民を保護する責任を放棄したとして、「失望した」と述べています。10月8日には民間人を乗せたトラックが攻撃を受けて市民21人が死亡するなど、暴力や武力衝突が増加しており、南スーダンの現状は、もはやPKO5原則が崩れていることは明らかであり、速やかな自衛隊部隊の撤収が必要です。

にもかかわらず、政府は、違憲の「改正」PKO法に基づき、南スーダンの国連PKOに参加している陸上自衛隊に対し、「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務を付与する構えです。

しかし、自衛隊員に、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」などの新たな任務を付与し、これらの任務遂行のための武器使用を認めるならば、憲法の禁じた「武力の行使」に発展し、「殺し殺される事態」<自衛隊員が政府軍や反政府軍の兵士を殺傷したり、自らも犠牲になる事態>を招くことは避けられません。

「改憲」を公言する安倍首相は、戦前のような「軍事大国」を目指す「妄想」にとりつかれているに違いありません。この道は「亡国」の道です。憲法9条のもと、非軍事平和主義=「世界の紛争に軍事的に関与せず、紛争の平和的解決に徹する」という戦後71年に及ぶ平和国家・民主国家という日本の原点の大転換を狙う、安倍政権の暴挙を絶対に許すわけにはいきません。

南スーダンから自衛隊は速やかに撤収し、憲法9条に基づいた民生支援の抜本的強化に尽力すべきです。
(2016年11月1日)

カテゴリー: sato

年に2度楽しませてくれる桜

[番外編]
[事務局 長畑 学]

朝晩は肌寒ささえ感じる頃となり、木々も少し紅葉し始めました。
紅葉といえば、モミジやイチョウをすぐに思い浮かべます。
こうした派手さはありませんが、桜の紅葉もなかなか綺麗です。

ただモミジやイチョウと違って、1本の木全体や並木として見るのではなく、葉を手に取れるくらいの近さから一枚一枚見る方が綺麗だし楽しいと思います。
グラデーションがかかったような赤や黄、斑入りのような葉、虫に食べられた跡のあるもの、一枚一枚様子が違います。
落ち葉になっても、今落葉したばかりのようなみずみずしい(?)葉を手に取れば、思わず押花にしたいような気になります。

花の咲く時期のような華やかさはありませんが、紅葉も素敵で、桜は年に2度も私たちを楽しませてくれる、心憎い木です。
(2016/10/12)

子供に勉強させるには

[ 弁護士 吉田恒俊]

誰もが子育てで悩むことがあります。特に、母親は勉強をしない子供に勉強をさせることに神経を使います。小学校から受験競争を勝ち抜くためのノウハウ本がたくさん出ています。どれを読んだらいいか、お母さん達はそこで迷います。本はよく売れているようですが、成果があったとして定番となるようなものは聞きません。

その理由は、買っても読まないで積んどくだけ、読んでも理解できない、理解できても実践しない、そもそも我が子には合わない、等が考えられます。私と同じ事務所の佐藤弁護士は、奥さんが最近有名になっている佐藤亮子さんです。佐藤夫妻の上の3人の男の子は現在東大医学部(理Ⅲ)在学中です。4番目の娘さんは来春受験ですが、東大法学部に進学し、佐藤弁護士の後継になってくれるといいのですが・・・。

亮子さんは「尾木ママ」ならぬ「佐藤ママ」などと言われていますが、すでに「灘→東大理Ⅲの3兄弟を育てた母の秀才の育て方」など数冊の本を出しています。どの本も分かりやすくて実践的ですから、子育ての終わった私も、我が2人の子どもにもこうすればよかったと思うところが多いです。もっとも子育ての中心は妻でしたから、妻がその気になることが前提ですが。

ところで、先日のテレビで、ある女性研究者が、統計上のうらづけがあるとして、子供に勉強させるには「勉強しなさい。」と言っても逆効果だ、それより目先のご褒美をちらつかせた方がいい、という説を発表していました(ご覧になった方もおられると思います)。「子どもはとにかくほめたおす。」、そして「勉強を嫌がる子には成功体験を与える。」という「佐藤ママ」本を補完するとも言えるでしょうか。

私の孫である小3男児も休暇に帰ってきたら遊びまくって、宿題もなかなかしないので、母親である娘はやいやい言っています。それでも勉強しないのですが、静岡の自宅では力尽くでやらせているようで、教育上はどうかなあと心配しています。

私は、佐藤弁護士からもらった奥さんの本を、読んだらすぐ娘に回しています。リビングでの勉強は「佐藤ママ」の教えの1つですが、娘なりに少しは実践しているようです。ほめるだけでなく、目先のえさで釣るような上記学者の説は、情操教育上まずいのではないかという意見もありますが、「ものは試し」で、娘に勧めてみようと思っています。これだと結果はすぐに現れますから、どんな結果が出るか楽しみです。
(2016/09/26)

共謀罪の導入を許してはならない

[弁護士 佐藤 真理]

犯罪行為がなくても、複数の人が話し合い合意しただけで犯罪とされる「共謀罪」法案が、再び国会に提出されようとしています。

共謀罪法案は、2003年以降、3度、国会に提出されましたが、広範な市民の反対の声により成立を阻止してきました。
ところが、安倍内閣は、2020年・東京オリンピックに備えての「テロ対策」との口実で、「組織的犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設しようとしていますが、その実質は共謀罪です。

刑法は、犯罪が実行され、結果が発生した場合に罰する「既遂」処罰が原則です。しかし、共謀罪は具体的な行為がなくても、犯罪について「話し合い合意した」(共謀)だけで処罰されます。これは危険な意思=「内心」を処罰するようなものです。

今度の法案では、適用対象を旧法案の「団体」から「組織的犯罪集団」に限定したといいますが、「組織的犯罪集団」との定義は不明確で、処罰対象が広く、捜査機関の判断に委ねられることに変わりはありません。共謀罪を適用する範囲も、「法定刑の長期が4年以上の懲役・禁固の罪等」であり、その犯罪数は600を超えます。テロのような重大犯罪に限らず、キセル乗車(詐欺罪)や万引き(窃盗)など、凶悪といえないような犯罪まで広く含まれます。労働組合員が居酒屋で、「社長は横暴過ぎる、殴ってやりたい」「そうだ、殴ってやろう」と会話しただけで犯罪とされかねません。

今年の通常国会で、電話や電子メール、SNSにいたるまで、警察が第三者の立ち会いなく監視できる「盗聴法大改悪」の法律が成立しました。これに共謀罪が加わると、テロ対策の名の下に、市民団体や労働組合内での会話が広く監視・盗聴され、市民社会のあり方が大きくかわることになります。

テロ対策を装う、市民弾圧法=「共謀罪」法案を断固、阻止しましょう。
(2016年9月13日)

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「絶望」の裁判所

[弁護士 吉 田 恒 俊]

今年の残暑見舞いで、わたしは、”元裁判官の『絶望の裁判所』という本があります。最近私も、誰もが執行猶予だという被告人が実刑にされて「絶望」しました。”と書きました。この件は、去年3月の弁護士ブログでも「これでいいのか刑事裁判」と題して触れました。この不当に執行猶予を受けられなかった事件は、その後最高裁でも三下り半の決定で確定し、いよいよ9月初めに収監されることになりました。
70歳を超えた高齢の女性に1年あまりの懲役はきついと思います。前科は40年前の詐欺等1件だけ(それも執行猶予がついていた。)、全額弁済の供託をし、見守り役の娘さんと2人暮らし、しかも事業を経営しているというのですから、偏見がなければ、絶対に執行猶予が付くケースと考えられます。

「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」とは、1985年に、刑事法の大家だった平野龍一・元東大学長の言葉であります。80年代には免田事件や財田川事件、松山事件、島田事件と、死刑再審が相次いで、いずれも無罪となりました。

最近、この言葉が再び刑事裁判に投げかけられています。2010年の足利事件、2011年の布川事件、2012年の東電女性社員殺害事件、そして今年の東住吉放火事件と毎年のように再審無罪の判決が出ています。いずれも無期懲役が確定した人に再審が開始され、無罪の判決が確定しています。状況はやはり、かなり絶望的であります。なぜなら、これらの事件は氷山の一角で、その底辺には膨大なこれに類する絶望的裁判が横行していると考えられるからです。

私の経験した事件は、300万円で売った土地の横領事件で、判決も「懲役1年2月」という小さな事件ですが、裁判官が検察官の顔色を窺い、起訴されたら有罪という偏見を持っている点は何ら改善されていないところは、上記再審事件と同じです。

『絶望の裁判所』を書かれたのは元判事で現在明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志氏です。彼がここで言っていることは刑事裁判よりも民事裁判についてですから、もっと深刻です。圧倒的に民事裁判が多いわたしも納得できるところが多いので、病弊は刑事裁判に止まらないと言えます。瀬木氏は、最高裁事務総局の支配と統制に触れ、その支配の下にある裁判官たちについて、「檻」の中の裁判官=精神的「収容所群島」の囚人たち、とまで呼んでいます。裁判の独立はどこへ行ったのでしょうか。

わたしはまだ民事裁判のすべてに絶望してはいませんが、何人かのひどい裁判官に当たって苦労したことがあります。その上、上記の刑事裁判を経験したことから、「絶望」にカッコを付けて裁判一般への警鐘としたものです。本当に裁判に絶望したら弁護士はやっておれないですから。

何事にも例外はあります。わたしは刑事でも民事でも立派な判決をする裁判官がおられることを否定しません。瀬木氏の本を読んで反発される裁判官も納得される裁判官もおられることと思います。要は個人を超えた制度の問題が大きいのです。

安倍チャンネルを許さない-NHK放送受信料裁判を ご支援ください

[弁護士 佐藤 真理]

籾井勝人氏はNHK会長に就任した際の会見で、「政府が右を向けという時にNHKは左を向くことができない」と発言しました。以来、NHKの「安倍チャンネル化」(政府広報化)がいっそう進んでいます。

放送法には、テレビを購入すると、NHKとの間に、放送受信契約を結ばなけれならないと規定されています。この規定を根拠に、市民が、NHKの放送を受信するか否かにかかわらず、NHKは放送受信料を徴収しているのです。

Aさんは、約3年前からNHK放送受信料の支払いを中断していたことから、NHKは、昨年10月、34か月分の放送受信料4万3980円の支払請求訴訟を提起してきました。

裁判は奈良地裁で、本年3月4日から始まりました。私たち被告弁護団は、「放送受信契約は、受信の対価として受信料を支払うという継続的な『有償双務契約』である。市民は受信料を支払う義務があるが、他方、NHKは、放送法を遵守した放送を提供する義務を負っている。NHKが放送法第4条等が規定している「政治的に公平であること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などの義務を履行しない場合には、市民は、受信料の支払いを拒み、または一時留保することができると主張しています。

ところが、5月13日の第2回口頭弁論において、担当の森川裁判官が、突然予告もなく、「弁論終結」と宣言しました。
被告代理人の私が強く抗議し、「被告側はまだ主張立証を予定している。原告の主張への反論を準備している」と指摘して弁論の続行を求めましたが、森川裁判官は一言も発言せず、立ち上がったため、私は裁判官の忌避を申し立てました。被告のAさんを支援している「NHK問題を考える奈良の会」が提起した「森川裁判官の忌避を求める請願署名」が急速に広がり、5月24日までに合計1799筆が裁判所に提出されました。忌避申立てに関しては、現在も大阪高裁で審理中です。

私たちは、早期に弁論再開を勝ち取り、「安倍チャンネル化」しているNHKの報道の現状を告発し、その是正が図られない限り、放送受信料の支払いを一時留保できる権利の確立を求めて、全国的なたたかいを発展させていくつもりです。
ご支援をよろしくお願い致します。
2016年7月1日
佐藤真理

今年の桜あれこれ

弁 護 士 吉 田 恒 俊

今年の桜は特に綺麗でした。どなたもそうおっしゃいますから本当に美しかったのでしょう。私も自宅の2階から見る桜に引かれて、妻を乗せて車で近くまで行き、そこから初めての道路を誘われるように進んでいきますと、近大農学部の入り口の桜並木にぶつかりました。並木は100m以上はあるでしょうか、両側から6mくらいの通路を覆うように満開の「染井吉野(ソメイヨシノ)」が続いています。手前の駐車場に車を止めて入っていきましたが、たわわな花が顔に触れるほど近いのです。大学は宣伝はしていないようですが市民に開放しているそうですから、不法侵入にはなりませんからご安心ください。並木の奥にも池を囲んで沢山のみごとな桜がありました。

ちなみに染井吉野は元々1本の木から増やされて全国に広がったので、DNAが同じということになります。一卵性双生児と同じで、みんなそっくりなのです。だから、同じように咲いて同じように散ります。今では全国の桜の名所のうち約8割が染井吉野と言われています。桜と言えば大抵染井吉野をさしていることでしょう。

しかし、桜は約100種類(一説には300という)もあるそうです。生駒市あすか野に宅地開発でわざわざ残された染井吉野の並木道があります。それは美事ですが、別に数年前からいろんな種類の桜の木が植えられいることに今年気付きました。ざっと30本(30種類)ぐらいあるでしょうか。その中で、「駿河台匂い(スルガダイニオイ)」という一重の白い花はえも言えない上品な香りがします。目の見えない人はこの匂いで桜の季節を感じるそうですが、私は桜の花の匂いをかいだのは初めてで、珍しい経験をしました。さらに、「須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)」という八重の桜は、花びらが緑色で、有名な「御衣黄(ギョイコウ)」とよく似ています。最後にご存じの「楊貴妃(ヨウキヒ)」もありました。八重という感じがしないスマートでかつ高貴な感じのするピンクの花です。まだ3メートルくらいの小木ですが、それぞれ堂々とした存在感がありました。

こんな話を30人ぐらいの会議の終わりに,時間が余ったので遊び心で話したのですが、帰ってから朝日新聞を見たら、その日の土曜特集版で桜のことが大きく取り上げていたので驚きました。そこでは、イングランドから里帰りした大きな一重の花を咲かせる「太白(タイハク)」の話が中心でした。

つまらないうんちくを傾けましたが、皆様も我が国伝統の花である桜への関心をさらに一歩進められては如何でしょうか。染井吉野とはひと味もふた味も違った沢山の桜に強い印象と愛着を持たれること間違いありません。

ちなみに上述の花の写真はネットで親切な方々が提供してくれていますので、そちらのご参考にして下さい。。
(2016/04/23)

これでいいのか刑事裁判

[ 弁護士 吉 田 恒 俊 ]

・絶望の刑事裁判
 かなり以前ですが、我が国の刑事裁判は絶望だと言った偉い刑法学者がいましたが、その状況はますます顕著になってきているように思います。体験した一例を報告します。

・執行猶予を付けない不当判決
 300万円の横領事件です。前科は50年前の1犯だけで、以後前科前歴は全くなく、利益を得ている共犯者は不起訴となっており、40歳の娘が同居して被告人の更正を約束しており、本人も自分の家業に力を入れて生活を立て直す決意をしています。しかも、被害者と示談は出来なかったのですが、被害額に損害金を加えて380万円を供託したので、実損はすべてカバーされたと同様でした。これで執行猶予が付かないとすれば、付ける事件はなかろうと思われる事案でありました。

 ところが、地裁でも高裁でも執行猶予がつかず、実刑でした。同種の他事件との比較から言っても執行猶予とされない理由がありません。理由としては、訴訟資料に現れていない事実(予断と言います)をもって判断したとしか考えられません。憲法の裁判を受ける権利及び法の下の平等に反するとしか言えない判決でした。

・密室での審理
 さらに、強姦や強制わいせつ事件でもないのに、弁護人はいるけれども被告人は別室に隔離されて証人尋問がなされており、証言を聞くことも出来ませんでした。ビデオでの目視も許されなかったのです。これは刑事被告人の権利を保障した憲法37条に反するものであります。しかも、証人の姿は傍聴席からも遮蔽されて見えなくされていました。これは裁判は公開の法廷で行うという憲法82条に反する事態です。私が担当したのではありませんが、法廷で実際に目撃した事実です。
 まさに密室での審理が白昼堂々と我が国憲法の下で行われているのです。
(2016/3/31)