海軍兵学校へ(その2)

[弁護士 北岡秀晃]

2013.10.21 北岡

 旧海軍兵学校には、赤レンガの旧生徒館のほか、大正時代に立てられた大講堂(写真)など歴史的な建造物があり、今も使用されています。
 見学コースで最も時間をかけるのが、「教育参考館」です。教育参考館には、勝海舟の書にはじまり、海軍大将などの遺品や書などの資料が展示され説明がなされています。日露戦争の旅順港閉塞作戦で戦死した広瀬武夫中佐の資料や、真珠湾攻撃などに出撃し一隻も戻って来なかった特殊潜航艇の乗組員の資料などもあります。靖国神社の遊就館であれば、「軍神」としてあがめられている英雄たちですが、さすがに教育参考館では「軍神」という表示はありません。

 最も心を打つのは、展示されている特攻隊として出撃した若者たちの遺書です。一つ一つ読んでいると、あっという間に集合時間が来てしまいます。
旧生徒館の赤レンガは、当時非常に高価なものであったとのことで、120年が経過した今でも、触るとレンガの表面がつるつるです。貧しかった時代に、大きな費用をかけて国(海軍)をになう「人づくり」に力がそそがれたことがうかがえます。しかし、その挙げ句、特攻という人の命をあまりにも軽んじた攻撃がなされ、多くの人たちが死んでいったことは、痛切な皮肉と言わざるを得ません。それが戦争の本質なのでしょう。

 江田島の旧海軍兵学校には、年間約7万人の見学者が訪れるそうです。一度行かれてみてはいかがでしょう。

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