オルフェーヴルによせて

[弁護士 北岡秀晃]

 東日本大震災があった2011年の三冠馬で、2年連続してフランス凱旋門賞で2着となった競走馬オルフェーヴルが、この冬、引退しました。最後のレースとなった有馬記念は、8馬身差を付ける大差で圧勝。鮮烈な印象を残してターフを去りました。

 賭け事には全く縁がない私ですが、意外なことに、競馬には中学校のころから関心がありました。ハイセイコーという地方競馬出身の馬が一世を風靡した年の翌年、その年の二冠馬となったキタノカチドキが最初に知った馬でした。当時のテレビの競馬中継には、志摩直人や寺山修司といった詩人が登場し、競走馬にまつわるドラマや悲話を詩的に語っていたことが印象的でした。「風はその背にたてがみに」などという詩集もありました。のめりこんだ私は、日本や世界の名馬のことを書いた本や、血統などを研究した「サラブレッドの研究」という本を買ってもらって読んでいた記憶があります。

 当時は海外遠征する競走馬はほとんどなく、凱旋門賞を勝つ日本の競走馬が出てくることは夢のまた夢でした。あれから30年近く、オルフェーヴルは、1度目の凱旋門賞挑戦のとき、一瞬、レースを見るものすべてに「勝った!」と思わせました。が、その後ゴール直前で失速し、2着に終わりました。しかし、日本の馬が近い時期に凱旋門賞を勝つと予感させるレースでした。
 新しい年が希望に満ちた年になりますように。

広告