読書日記

[弁護士 山﨑靖子]

 あけましておめでとうございます。当事務所は本年も皆さまのお役に立つべく精進したいと思います。
 さて、お正月休み明けですので、最近読んだ本をご紹介したいと思います。

(その1) 「あの日、僕は旅に出た」(蔵前仁一著。幻冬舎)
 「日本人旅行者は、蔵前仁一さんが描いた<旅>をたどっているだけなのではないか」というのが帯の惹句(石井光太)。バックパッカーの教祖と言われている著者が、30年を振り返った半自伝本です。
 この人の本はほとんど読んでいて、何となく自分も蔵前さんの本を参考にして30年前にバックパッカーをしたような気になっていたのですが、間違っていました。蔵前さんが最初にインドへ行ったのが1982年、最初の本「ゴーゴー・インド」が出たのが1986年。私が最初にバックパッカーをしたのが1984年(短期間、南ヨーロッパへ)、東アフリカに行ったのが1985年。ということは、帰国後に蔵前さんのことを知ったということですね(厳密に言えば、漫画家としては知っていました)。
 そういう誤解はあったものの、年令が近いこともあって、「そうそう、こんな時代だったなあ」と思いながら350ぺージがあっという間に終わりました。
 蔵前さんは、「旅行人」というバックパッカー向けの本を発行していたのですが、2011年に休刊、その後肝炎を患い、肝炎が治ると、また、旅に出よう、というところで本は終わります。
 さて、私の方は全く違う30年を送ったのですが、また、旅に出たいなあという気持ちはずっとありまして、ただ、さすがに50歳を越すと、hotと書いてある蛇口をひねって水が出るとか(水も出ないとか)、便座がないトイレとか、水が流れない水洗トイレとか、が標準装備のホテルに泊まる気はないわけです。「年取ったなあ」と思います。
 還暦近い蔵前さんがこれからどういう旅をするのか、楽しみです。

(その2) 「永遠の0」(百田尚樹著。講談社文庫)
 この本は最後まで読んでいません。理由は、おもしろくなかったから。経験則からすると、最後の10ページでこける小説はあっても、逆はない。この小説への批判で、「コピペ小説」とか「戦争賛美」とありますが、そういうことを抜きにして、単純につまらない。ありふれた筋書き、それをカバーする文章力もない。
 私が50歳を過ぎた時に思ったことは、これからの人生、昇りか降りかわからないけれど確実に言えるのは「人生後半」、ということでした。さらに、体力・視力は日々衰えています。そうすると、無駄な読書に費やす時間は1秒もない。
 もしこれから読まれる方がおられましたら、こういう感想の人間もいる、ということを頭の片隅にでもおいていただければ光栄です。

 お正月読書はあと少し続きます。次回をお楽しみに。

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