無慈悲なガザ攻撃

[弁護士 吉田恒俊]

パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まったのは7月7日、本日までの間、イスラエル側の死者は100人足らずに対し、パレスチナ人の死者は1000人を超えている。その大部分は民間人だった。最初はイスラエルの子供が3人殺されているのから始まったが、誰が殺したかは分かっていない。ガザの人口は180万人、その内の1000人と言えば、日本の人口比で言えば、約7万人になる。まさに大量虐殺、ジェノサイドとも言える一方的な攻撃である。

ハマスはロケット砲で攻撃しているが、ほとんど途中で撃墜されており、イスラエル領に到達するのは10発に1つくらいだという。イスラエルの地上軍の進撃は、防空システム「アイアンドーム」でロケット弾をおおむね防御できているが、ハマスのトンネルに対する有効な対策はまだ見つかっていないでの、その破壊が目的だとも言われている。

イスラエルのやり方はまさに10倍返しで、ハマスの戦闘員を攻撃するという口実で、人々が安全と思って避難している国連が避難所として運営する学校にまで攻撃をしており、無防備の民間人を空と地上から無差別に虐殺していると評されるものである。

2008年12月27日から翌年にかけても、イスラエルは同様に空と地上からガザを攻撃し、パレスチナ人の死亡者は1000人を超えた。イスラエルは、この時も国連が運営している学校を砲撃し多数の犠牲者を出ている。

今回もイスラエル支持のアメリカは、ガザに犠牲者が500人を越えたところでようやくオバマ大統領が動き出したに過ぎず、戦闘中止に有効な働きをしていない。国連を含む国際社会もイスラエルを押さえるための動きは鈍い。我が国のマスコミの伝え方もけんか両成敗的で、「ガザ戦闘死者1000人超す」と中立的であり、停戦への主導権を握るイスラエルに遠慮している。しかも、今回の国際社会とマスコミの動きは明らかに2007年の時よりも鈍いと言える。イスラエル国内に撤退を求めるデモがあるのがせめてもの救いである。

直ちに戦闘を中止すべきである。ナチスドイツによって多くの犠牲者を出したイスラエルが、なぜパレスチナの人々に対し、このようなひどいことを平気でするのか理解できない。格段の攻撃力と防衛力を有するイスラエルの方から今すぐ戦闘を中止すべきである。

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北海道へ行ってきました

[弁護士 冨島淳]

 今年も夏がやって来ました。ということで、7月19日から21日の3連休にかけて、北海道へ行って参りました。
 何のために行ったのかと申しますと、またサッカーをしに行ってきました(3月31日のエントリーもご参照下さい)。暑くなってきましたが、北海道であればまだ涼しいはず!とのことで、札幌のチームと福岡のチームとの試合が開催されたわけです。

 試合会場は札幌ではなく、夕張でした。札幌からバスで1時間半程度のところにあります。札幌から郊外に出て、徐々に豊かになっていく自然と、所々に目につき始める廃墟。個人的には、廃墟にものすごく惹かれました。かつてはどんな賑わいを見せていたんだろう、と。廃墟の魅力に取り憑かれるかもしれません。
 夕張に到着し、試合は真剣に、かつ楽しくできました。結果は振るわなくとも。笑

 夕張も日差しがあると思いの外暑かったですが、それでも関西とは比べものにならない湿度の低さで、過ごしやすいです。夜は長袖でないと寒いぐらいでした。蝉ではなく、ウグイスが鳴いていたのにも驚きました。
 試合が終わり、札幌に戻ってからは、懇親会などでたくさんの美味しいものをいただいてきました。回転寿司のお寿司が感動的に美味しかったです。味噌ラーメンも。試合で失ったカロリーはしっかり取り戻したと思われます。笑

 そんなこんなで、たまには羽を伸ばして楽しい休日を過ごさせて頂きました。ものすごく暑い日々が続きますが、皆様体調崩されぬようご自愛下さい。

こまちゃんうちわ

[弁護士 中谷祥子]

朝から蒸し暑く、夏の気配が漂ってきましたね。
さて、暑い夏を少しでも涼しくする手段は何でしょうか?
クーラー?扇風機?
いやいや、これですよね!!

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このうちわは、奈良の夏の風物詩「燈花会」(8月5日~14日)が開催される頃、近鉄奈良駅行基前周辺で配布される予定です。
奈良弁護士会公式マスコットキャラクター「こまちゃん」も出動するかも?
こまちゃんと奈良弁護士会員が汗だくになりながら、配布しているのを見かけましたら、
皆さん、ぜひ受け取って、自然な涼しさを感じてくださいね。

ちょっと一服「一本刀土俵入り」

[弁護士 山﨑靖子]

 堅いテーマが続いたので、ちょっと一服。「一本刀土俵入り」長谷川伸の股旅物です。
 昭和6年の作品なので知らない方も多いと思いますので、簡単なあらすじを紹介します。
 ・・・破門された下っ端相撲取りだった茂兵衛は、行き倒れ寸前のところを酌婦のお蔦に親切にしてもらったことから、横綱になって土俵入りをお蔦姐さんにみてもらうことを決意しました。さて10年後、お蔦さんは娘と一緒に細々と暮らしていました。そこへお蔦さんの夫辰三郎が戻ってきました。辰三郎は何年も前から行方不明だったのですが、今はいかさま賭博をして追われる身。茂兵衛はお蔦一家を守るために辰三郎を追ってきたやくざ者たちをたたきつぶし、逃がします。そこで有名な「十年前、櫛、簪、巾着ぐるみ、意見をもらった姐さんにせめて見てもらう駒形のしがねえ姿の土俵入りでござんす」というセリフがあって、姐さんは感謝しながら故郷へ旅立つ・・・。

 出てくる人物全員がだめだめちゃんです。主人公の茂兵衛は横綱どころか渡世人にしかなれなかったし、お蔦さんの夫は一攫千金をねらったいかさま賭博をして、ばれてやくざに追われているし、辰三郎を追ってきたやくざ者は茂兵衛にたたきつぶされるし、お蔦さんはだめ男に惚れてるし…(娘のお君ちゃんの将来を真剣に心配しました)。

 人生こんなもの、ということでしょう。原作者の長谷川伸は小学校を中退して職を転々とした苦労人のようです。普通、「櫛、簪、巾着ぐるみ、意見をもらった」なら、精進して幕内力士くらいにはなって姐さんに晴れ姿を見てもらう、という流れになりそうですが、そううまくいかないところが現実的ですね。

 それと、この話のもう一つのテーマは、「純愛」。最近の若い人は世界の中心で愛を叫んでも恥ずかしい行為ではないと思っているようですが、昭和の日本人はそういうことはしません。お蔦さんへの想いを隠して一家を見送る…これが昭和の純愛の形です。
 ということで、前方斜め上ばかり見ることに疲れた人にお勧めします。気楽に行きましょう。

危険の「匂い」

[弁護士 藤澤頼人]

 普段、生活をしていて、これは危ない、という「匂い」を感じるときがあります。たとえば、路地から大通りに出る際角に建物があって見通しが効かないとき、狭い道で向こうから大きな車がかなりの速度で向かってくるときなどです。
 これは、我々の個人的生活に限ったことではなく、社会や国が直面するかもしれない危険についても同じ事が言えます。

 日本の歴史でいえば、太平洋戦争前、日独伊の三国で結んでいた防共協定を強化しよう、さらには軍事同盟にしようという動きがありました。その際、これは米英と戦争になる、という危険の「匂い」を感じ取って強硬に反対した人々がいました。山本五十六氏がその中に含まれていた事は有名な話しです。
 この反対を押し切って三国同盟を結んだ結果は、皆さんご存じの通りです。

 太平洋戦争といえば、日米開戦の最後の決定的岐路になったのは昭和16年夏の南部仏印(仏領インドシナ)進駐でした。南部仏印進駐については歴史の授業で習ったかと思いますが、実は、南部仏印に進駐する前に北部仏印にも進駐していました。ところがその際は、米英と戦争になることもありませんでした。そのため、政策決定者達は南部に行っても大丈夫とタカをくくったようです。もちろん、この予測は間違っていたのですが、当時の日本側の人の中に、この南部仏印への進駐が日米戦争を招きかねないという危険の「匂い」を感じ取った人もいました。たとえば、当時の駐米大使であった野村吉三郎氏もそうであったようですし、陸軍の参謀本部の参謀の中にも、「これで戦争になるな」と言った人もいたようです。この人達は、政策決定者達と違って、危険の「匂い」を感じ取っていました。
 結局、その「匂い」を感じ取れない政策決定者達により南部仏印進駐は実行され、日米関係は破局にいたり、あの戦争に突入していくことになりました。

 翻って、昨日、安倍首相は、集団的自衛権行使容認の閣議決定に及びました。安倍首相は、日本はこれでより安全になったと思っているようですが、安倍首相の危険の「匂い」を感じ取る能力はいかがでしょうか。
 これについては、私は非常に懐疑的に見ています。といいますのは、安倍首相にはとんでもない「前歴」があるのです。

 福島での原発事故の前の2006年12月13日、吉井英勝衆議院議員は安倍内閣に対して、「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を提出し、「1 原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」、「5 日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」、「6 大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルクスマルク原発のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。調査内容を示されたい。」、「7 停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。」との指摘を行いました。まるで福島の事故を予知したような質問です。

 これに対して、時の首相であった安倍首相は同年12月22日、次のように答弁しました。多少長くなりますが大事なところですので引用します。

 1について
 我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。

5について
 我が国において運転中の五十五の原子炉施設のうち、非常用ディーゼル発電機を二台有するものは三十三であるが、我が国の原子炉施設においては、外部電源に接続される回線、非常用ディーゼル発電機及び蓄電池がそれぞれ複数設けられている。
 また、我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。

6について
 地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

7について
 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」
安倍首相に危険の匂いを感じ取る能力があれば、この質問に含まれた危険を感じ取れたでしょうし、きちんと対応をしていれば、福島の巨大事故は起こらなかったでしょう。

  結局、安倍首相が原発は安全とタカをくくったせいで、福島の、そして日本は現在進行形で筆舌に尽くしがたい苦難の歴史を歩んでいます。
  このような前歴を持つ安倍首相が「安全」と言ったところで、何の保障にもならないのではないでしょうか。

  本当の危険はもう目の前に迫ってきている、私にはその「匂い」が漂ってきているように思います。