読書日記~「神の子」(上・下)(薬丸岳著・光文社発行)

〔弁護士 山﨑靖子〕

 めずらしく、売れ筋の本を新刊で買いました。
 先のストーリーが読めない小説、という書評を読んだから。
 
 読書人生が50年近くになると、「どこかで読んだ・・・」という感覚が出て楽しめないことが多くなってきました。それで、「先のストーリーが読めない」という言葉に飛びつきました。

 戸籍がなく義務教育も受けられなかったけれど天才的頭脳を持つ少年が、まあ色々あって(振り込め詐欺をしたり少年院に行ったり大学に行ったり会社作ったり・・・しながら)成長していくお話です。

 確かに、先のストーリーは読めない。荒唐無稽というか。でもおもしろかった。
 訴訟法上これはあり得ない、という所もあるけれど、気にしない。
 ちょうど台風が来てどこにも行けなかった連休に一気読みしました。

 薬丸岳は初めて読みましたが、健全な話を作る人ですね。
 闇社会を取り上げつつも、ノワールな部分は全くない。子どもにも安心して勧められますよ。
 一言言うと、上巻の帯は「生まれて来なければ良かった」。下巻の帯は「出会わなければ良かった」。この帯を先に読んでいたら読まなかったと思う。昭和の演歌じゃないんだから。もっとあっさり作れないものかと思う。

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