お正月読書日記

〔弁護士 山﨑靖子〕

 あけましておめでとうございます。
 そろそろお正月気分が抜けるころでしょうか。今年最初のブログは、お正月休みの読書報告から始めます。

1 「イノセント・デイズ」(早見和真)
 各紙で絶賛されてるので読みました。元恋人の妻と1歳の双子を放火によって殺害した確定死刑囚の幸乃。彼女の生い立ちをたどりながら、事件の真相を解き明かしていく、というストーリーですが・・・・・。正直なところ、さっぱり感情移入ができない。登場人物のどれにも。こんなことで代わりに死刑囚になるかなあ、という違和感。最大の疑問は帯に書いてある「ひとりの男だけが味方であり続ける。」のこと。「ひとりの男」って誰?味方の男は3人いるけどなあ。

2 「その女アレックス」(ピエール・ルメートル)
 週刊文春2014年ミステリーベスト10の1位。監禁されて檻に幽閉され、衰弱したアレックスは必死で脱出し・・・・。アレックスは被害者なのか?ストーリーがどんどん予想とずれていく感じがすごくおもしろかった。元旦に一気読みしました。タイトルだけ読むと「その男ゾルバ」みたいですが、全然違います(そちらの映画も傑作ですが)。妙にぬるい和物ミステリに飽き飽きしている人にお薦めします。

3 主人公が女性で、しかも2冊とも最後は死にます。お正月早々縁起が悪いので、最後は元気な女性が主人公の本をご紹介します。
 「夜また夜の深い夜」(桐野夏生)
 顔を変える続ける母親とアジアやヨーロッパの都市を転々としながら成長する「マイコ」。国籍も父親も本名もわからず、学校にもまともに通わせてもらえない。マイコは家出し、アナとエリサに出会う。犯罪を重ねながら生き抜いていくマイコたち。サバイバル小説で成長小説。ただし、それほど甘い話ではありません。
 読後感が良いわけではないし、マイコの将来が明るいわけでもない。
 それでも最後はマイコの前向きで明るい手紙で締めくくっています。
 読んだ人の夜が明ける日が来るかどうか知りませんが、お薦めです。 

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