菅原文太さん再び

〔弁護士 吉田恒俊〕

 菅原文太さんの奥さん文子さんも共同代表となって取り組まれた「辺野古基金」が、沖縄県民を中心に1億1900万円以上集まったそうです。この基金は、米軍新基地の建設阻止を目的として、沖縄県議会の与党議員や経済関係者が中心となって、この4月に作られました。広く寄付を募って、米国メディアに意見広告を出すことを検討しています。

 沖縄の本土復帰は、ニクソン大統領が、ベトナム戦争の近い終結を想定し、60年成立の安保条約に盛り込まれた10年後は互いに廃棄できる条項を日本が適用しない,すなわち安保を延長するのと引き換えに、沖縄返還を約束したものです。県民の期待とは裏腹に、アメリカ軍基地を県内に維持したまま、1972年5月15日に実現しました。しかし、2010年現在も米軍専用施設面積の約74%が沖縄県に集中し、沖縄本島の19.3%が基地に占められています。これ以上の基地負担は考えられないという県民世論が、翁長知事の前知事に大差をつけての当選(11月)、衆院選での自民党選挙区候補の全員落選(12月)という結果となって現れました。今や本当に本土復帰は正しかったのか、という疑問が起こり、沖縄独立論まで出ています。

 先月、安倍首相はオバマ大統領との間で、国会でも内閣でも決めていない重要なことを約束してアメリカから大歓迎されました。日米指針(ガイドライン)を改訂して、日本が攻撃された時、日本周辺に限定されていた自衛隊の米軍支援を、違憲の集団的自衛権を前提に、地球規模にまで広げるというのです。それに応じて沖縄基地の重要性も地球規模となり、米軍にとってますます辺野古基地建設が必要となるでしょう。ここに辺野古基地反対と集団的自衛権反対の声が一つとなる要素があります。

 違憲に違憲を重ねる安部内閣の正体に、国民もそろそろ気がついてきました。もっともっと声を上げる必要があります。それにしても、菅原文子さんは、文太さんとの47年間の結婚生活は同志的連帯みたいな感じで、仕事を選ぶときも社会にとって良いことか、という観点で選んできたそうです。翁長知事候補の応援は文太さんが自ら願い出たことだといいます。

 彼は言いました。「政治の役割は2つある。一つは国民を飢えさせないこと、もう一つは、これが一番大事です。絶対戦争をしないこと。」と叫び、「沖縄の土地はそこに住んでいる人たちのものです。勝手に他国へ売り飛ばさないくれ。」と訴えました。内助の功を発揮した文子さん、それを素直に聞いた文太さん、気の合ったご夫婦でした。文太さんが生きていたら、今の安倍内閣の暴走にどう怒り、何をしたでしょう?考える値打ちがありそうです。とりあえず,辺野古基金の取り組みを本土で大きく取り組むことでしょうか。81歳なので自ら選挙に出るとは言わなくとも、総選挙では、基地反対、反戦平和の候補者を応援して超多忙だったに違いありません。

(2015/5/7)

広告