読書日記~「熔ける」大王製紙前会長 井川意髙の懺悔録~

〔弁護士 山﨑靖子〕

 カジノの掛け金のために子会社から総額106億8000万円を借り入れたことが会社法違反(特別背任)となり懲役4年の実刑となった大王製紙前会長の手記。

 カジノを日本で合法化しようとする法律(「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」、通称「カジノ解禁法案」)を、自民党がしつこく成立させようとしていることから、古本屋で見つけて読んでみました。

 ・・・タイトルが間違っている。9割が自慢話。自分がいかに勉強や仕事で有能であったか。残り1割はマスコミなどへの恨みと簡単な事実経過。

 「失敗しない人間などいない。人生何度だってやりなおせる・・・」帯に書いているホリエモンの惹句。これだけで本の中身が予想できたはずである。ギャンブルにどういうふうにしてのめり込んでいったのか、客観的・詳細な自己観察記録と思い込んで買った自分の不明を恥じた。まだまだ読解力が足りない。

 後悔は簡単にできるが反省は容易にはできないということがよくわかる本である。
 ギャンブルのことを知りたければ森巣博の本を読んでいる方が100倍まし。負ける気がしなくなるのが欠点だが。
 
 井川やホリエモンみたいな人間だけがカジノに行っているうちはいいが、日本でカジノが合法化されたら、自分の財布と同視できる他人の財布を持たない人間も行くことになるのは明らか。

 カジノ解禁法案は今国会でも成立しなかった。でも油断できない。

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