事務所法律講座(相続と遺言)のご報告 ( 第1回)

[弁護士 吉田 恒俊]

1 はじめに
去る2月18日に、事務所主催で市民向け法律講座を開きました。私が「相続と遺言」のテーマで講師を務めました。参加は約10人で宣伝不足だったと思います。でも、皆さん熱心にお聞き下さいました。

自分の財産を思い通りにつかいたいという当たり前のことが、認知症や痴呆はなくても身体が弱ってできなくなることがあります。死後は当然何もできません。それをサポートするのが成年後見制度であり、遺言制度です。
体と頭が動けなくなってから後悔しないために、制度の利用をお勧めします。子どもや知人がいる人も含めてよく考える時代環境にあると思います。
相続税を節税するということも大切で、私は税理士と組んで対応しています。法律家の目から見た節税対策という視点が重要だと考えております。

以下、今回を含め3回に分けて、講演を基にして私の解決事例をご報告いたします。

2 遺言のない場合の解決事例
親としての最大の不幸は遺産を巡って子どもらが喧嘩することではないでしょうか。草葉の陰から後悔しても始まりません。

(1) 解決事例① 農家で長女が後を継いでいたが、次女も近くに住んで、農地の一部を耕作していた。父母が亡くなって相続が始まると、次女は2分の1の法定相続分を要求した。大部分を相続しようと思っていた長女は怒り心頭に発して、遺産分割解決後も不仲になってしまった。私は、長女の代理人として、寄与分を大きく主張してかなり次女に譲歩させた。

(2) 解決事例② 自宅で父と食品製造の家業を一緒にやってきた長男には、長男名義の不動産はなかった。調停で妹と弟が唯一の遺産である実家を売却してでも分けよと言う。長男にはお金を払うだけの資力はない。こんな場合、できるだけ時間をかけて、裁判所の流れに任せて、安易に自宅を売却することはしない。妹らが諦めるのを根気よく待つ作戦をとる。成功の確率は高い。

☆次回は、「3 遺言をした上で解決した事例」及び「4 相続人がいない解決事例」、次々回は、「5 課税との戦いで解決した事例」の中から、各2例ずつを報告します。ご期待下さい。

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