違憲の「共謀罪」を廃案に追い込もう

[ 弁護士 佐藤 真理 ]

今月11日、自民・公明と維新が「共謀罪」法案について修正合意に達し、今週にも衆議院で同法案が強行採決される危険が高まっています。
しかし、3党の修正合意は、共謀罪の捜査にあたり適正の確保に十分配慮すること、取り調べの録音・録画の制度のあり方を検討すること等に過ぎず、修正の名にも値しません。

共謀罪法案は、「犯罪行為」に及んだ場合に処罰するという刑法の基本原則をくつがえして、二人以上の人が犯罪行為を「計画・相談」しただけで処罰できるとする人権侵害の恐れの強い違憲の法案で、過去3回廃案となっています。

安部首相は、テロ対策の法律であり、従来の共謀罪と違い、一般市民が対象とされることはないと繰り返していますが、事実を偽るものです。
労働組合の活動、憲法改悪反対・原発反対・沖縄辺野古基地建設反対などの市民団体の活動に対し、捜査当局の判断だけで「組織的犯罪集団」に一変したと認定されて、不当弾圧を受ける危険性があります。

例えば、労働組合が賃上げを要求し、社長が応諾するまで徹夜覚悟の団体交渉をしようと皆で意思統一すると組織的監禁罪の共謀成立となりかねません。地域住民が高層マンション建設反対運動として座り込みを相談・計画し、住民を動員する連絡を分担したら、組織的威力業務妨害罪の共謀が成立となりかねません。

「共謀罪」の処罰のためには、捜査手段のいっそうの強化が必要となり、盗聴、盗撮などの拡大につながります。昨年5月の刑事訴訟法の一部改正で警察による盗聴(通信傍受)の対象が一般犯罪まで拡大され、電話やメールの盗聴が可能とされています。さらなる盗聴、盗撮等の拡大により、警察国家化が懸念されます。

特に、恐ろしいのは、自首すれば刑を減軽又は免除するとの規定が用意されていることです。戦前の治安維持法時代には、特高警察が共産党や民主団体にスパイを潜入させて、スパイの自首により、活動家を一網打尽にし、スパイだけは刑を免れるという事例が頻繁に見られたことを想起すべきでしょう。
相互監視の息苦しい社会、警察国家は戦争への道です。

共謀罪法案を4度、廃案に追い込むために、皆さん、語り合い、街頭にもでかけましょう。
(2017年5月15日)

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