総選挙で安倍政治を終わらせよう

[弁護士 佐藤 真理]

安倍内閣は、本年6月、「森友学園」「加計学園」問題での安倍政権による国有財産や国政の「私物化」疑惑に対する野党の追及を避けるために通常国会を早々と閉幕しました。

野党4党が6月22日、憲法53条に基づいて、臨時国会の開催を要求したところ、安倍政権はまともな理由も示せず、拒否し続けました。憲法53条には、「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならない。」と明記されています。期限の明記はありませんが、「すみやかに召集」する義務があることは明らかです。(ちなみに、自民党の2012年改憲草案には、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない。」とあります。)

野党の要求から3ヶ月余りも遅れて、臨時国会が9月28日にようやく召集されることが決まりましたが、突然、安倍首相は、臨時国会の冒頭で衆議院を解散し、10月下旬に総選挙を実施する公算が確定と報道されています。
民進党から離脱者が相次ぐなど混乱しており、立憲野党4党(民進・共産・社民・自由)の本格的な共闘態勢が整っていないとみて、森友・加計学園問題での野党の追及を受ける前に解散に踏み切ろうというのです。
「国会で追及されるのを逃げる自己保身解散」(前原民進党代表)であり、党利党略のご都合主義解散といわなければなりません。
しかし、解散権行使のご都合主義批判よりも、ついに主権者国民が安倍暴走政治「ストップ」の明確な審判を下す時が到来したと歓迎すべきではないでしょうか。

安倍内閣は、この3年間、国民の批判の声を無視して、特定秘密保護法(2013年)、戦争法(2015年)、そして今回の共謀罪法と、強行採決を繰り返してきました。
7月2日の東京都議選挙で自民党は歴史的な敗北を喫し、安倍首相は「スケジュールありきではない」と改憲日程について「軌道修正」的発言もしましたが、任期中の改憲(それも「9条」改憲)を目指すとの方針に変更はありません。

憲法施行70年の5月3日、安倍首相は、憲法9条の1項、2項はそのまま残し、新たに自衛隊の存在を憲法に明記する憲法「改正」を東京五輪開催年の2020年に施行することを目指すと公言しました。
「9条加憲案」は、国民の多くが支持している自衛隊の存在を憲法に明記することで、違憲の疑いを晴らし、いざという場合に命がけで働く自衛隊員の士気を高めるために必要で、自衛隊の役割に何ら変更を加えるものではないとの説明がしきりにされています。

しかし、重要なことは、自衛隊は、かつての「個別的自衛権の行使のみを認める」(1972年政府見解)の自衛隊=「専守防衛」の自衛隊ではなくなっているということです。今日の自衛隊は、7・1閣議決定(2014年)に基づいて制定された「戦争法制」で容認された存立危機事態での集団的自衛権の行使や戦闘地域での米軍等への弾薬輸送を含む兵站活動等を担う自衛隊です。
9条加憲案は、戦争並びに武力の行使及び威嚇を禁止し、一切の戦力の保持と交戦権を否認した9条1項、2項と激しく矛盾し、9条1項、2項の空文化を招くことは明らかです。

安倍首相は、祖父岸信介が果たせなかった憲法「改正」を実現した首相として歴史に名を残したい、日本を再び「戦争する国」、軍事「大国」にしたいとの異常な執念に取り憑かれています。
自公と維新は衆参両院で3分の2以上の議席を保有していますが、今度の総選挙で、昨年夏の参議院選挙以上に、立憲野党の選挙協力ができると、与党は議席を減らし、衆議院3分の2を大きく割り込むことは必至です。安倍改憲を許すか否か、財界大企業に奉仕し、国民の暮らしを蔑ろにする安倍政治を転換する道に踏み出せるのか、重大な岐路に立っています。

安倍改憲阻止、野党連合政権樹立のために微力を尽くす決意です。
今月8日に発足した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が提唱する3000万署名にも、是非、ご協力下さい。
2017年9月19日

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