「家族農業年+10」(国連決議)

[ 弁護士 吉 田 恒 俊 ]

・私はこの40年間、家庭菜園をしています。もっぱら無農薬と有機肥料の野菜を食べたいという思いからです。最近25年間は自宅の隣の100坪の畑に食卓に上るものを中心に作っていますが、10分の1もまかなえていません。不足分はどうしても店で買う必要があります。

・市場に出ている野菜類も、最近は農薬や食品添加物への関心が高まって、一時とは違ってずいぶん改善されたと思います。とくに、私の知る良心的な農家は自身が食べる野菜を含め、売り物の野菜にもなるべく農薬を使わないように気を付けています。しかし、市場に出回る大規模農家の作る野菜類は、輸入品とともに、どんな農薬が使われているか油断できません。

・野菜類は地産地消であるべきで、市場原理に任せる大規模栽培はふさわしくありません。小規模・家族経営で顔の見える生産者の作るものならまだ安心できます。しかし、私は、家族経営農業で野菜を購入するなど夢のようですが、不可能と思っていました。ところが、世界的には、既に2014年を国際家族農業年として、小規模・家族農業の役割が見直され、支援に乗り出すための国際的な啓発活動が展開されたそうです。

その成果を踏まえて、昨年12月国連総会で、2019年から2028年までを国際的に家族農業の10年間(「家族農業年+10」)とすることが決議されたのです。日本も共同提案国だそうで歓迎したいのですが、素直に喜べません。政府は、現在さらなる農業経営の規模拡大や企業の農業参入、輸出戦略の強化を進めており、家族農業と矛盾するこのような路線を改めてもらわねばなりません。

・現在、世界約60か国にキャンペーンのサポーター組織があります。我が国でも、昨年6月、2014年以来運動を進めてきた関根佳恵(愛知学院大学) さんらが呼びかけ人となって「小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン」が結成され、12月には都内で設立発表会が開催されました。私は、早速賛同者となりました。これからどんな運動が展開されるか楽しみです。

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