お花見散歩

[弁護士 岡本 洋一]

奈良の市街地では、咲き誇った桜もほぼ散ってしまいました。幸い事務所が奈良公園のすぐ隣にありますので、散歩がてら気軽に花見を楽しむことができました。

先日の朝方仕事を始める前に、少しばかり興福寺境内を散歩しました。いつもは観光客であふれかえるのですが、平日の朝ということもあり、人もまばらでした。また、いつもは境内を我が物顔で闊歩する鹿も、鹿せんべいをくれる観光客がいないためか、境内の片隅でおとなしくしていました。

奈良の市街地では、春になると至るところで桜が咲きます。わざわざ花見のために遠出をする必要がありません。ありがたいことです。
ですが、せっかく奈良に住んでいますので、一度は桜の季節に吉野に行ってみたいものです。

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事務所法律講座(相続と遺言)のご報告(第3回)

[弁護士 吉田 恒俊]

最終回です。最後までのご高覧誠に有難うございました。

5 課税との戦いで解決した事例
2015年1月以降、相続税の非課税の枠が「5000万円+法定相続人の数×1000万円」から、「3000万円+法定相続人の数×600万円」となり、最高税率も50%から55%になり、大幅に増額されました。節税対策はますます重要になっています。

下記事例は、不当な更正処分を跳ね返した事例です。なかなか大変でした。⑧の事例では、国を相手に不当課税だとして、国家賠償訴訟まで起こしました。高裁で納税者が勝利しました。真っ青になった国(税務当局)は最高裁に救いを求めて、何とか面目を保つというところまで追い込みました。⑦、⑧事件とも弁護士冥利に尽きる戦いであり勝利でした。

(1) 解決事例⑦ 私は、公認会計士と一緒に、被相続人生前中から相続対策を行った。主なものは①養子縁組と不動産の購入とその資金の借り入れであった。しかし、これらを実行した時点で、被相続人の様態が急変して意思能力を欠いていた。そのため、負債が認められず、莫大な税金が課せられた。 私は、異議申立を経て、不服審判を申し立てて、仮に借り入れ当時意思能力を欠いていても、それ以前から相続対策についての委任を受けていたのであるから問題はない、として強く争った。その結果、採決ではこちらの言い分が全面的に認められて、課税額は大幅に減少した。実益は約15億円であった。

(2) 解決事例⑧ 紙器製造業者が政務調査に非協力的であったとして、反面調査で売上額調べ上げ、それから申告にかかる経費を差し引いて利益を推計したので、税額は申告の20倍にも及ぶものとなった。私は、経費も反面調査すべきであること実額課税が原則であることなど、更正処分の不当性を突いて、税務訴訟を提起し、大部分を取消させた。
以上

事務所法律講座(相続と遺言)のご報告 ( 第2回)

[弁護士 吉田 恒俊]

前回の続きです。

3 遺言をした上で解決した事例
子ども達が仲良く遺産を分割することが、亡き親として何より嬉しいことでしょう。

(1) 解決事例③ 98歳でなくなった医師は、生前は奥さん亡き後20年以上も2人の女性に世話をして貰っていた。羨ましい御仁であった。子供は7人。彼は公正証書を作り、2人の女性に少しと、大部分の遺産を子らに公平に分ける、という内容的には平凡なものであった。但し、分け方はすべて遺言執行者である私に任せるというものであった。
財産は、預金、株式、ゴルフ会員権、不動産など沢山あったので、毎週土曜日に全相続人に長男さんの家に集まって貰い、皆さんの意見を聞きながら、具体的な分け方を検討して、分割案を練り上げていった。欲張りなことを言う人が一人でもいたら、私が遺言に基づいて強制的に分けますと、念を押したので、7,8回の集まりの最後まで円満に分割が終わった。

(2) 解決事例④ 会社の会長さんで、亡くなる半年ぐらい前に私が病院のベッドに見舞いに行ったときに、自筆証書遺言を作った。すべてを長男である社長に相続させるというものであった。会長の子どもには長男、長女、二女及びお妾さんに子が一人いた。自筆証書であっても法的効力は公正証書と何ら変わらない。この遺言のお陰でもめることはなく、他の相続人には遺留分として金銭で解決した。

4 相続人がいない解決事例
近しい人でも相続関係にない場合があります。その方には法定相続人がおらず、多額の財産を残してなくなった場合、遺産は宙に浮きます。そんな場合、近しく付き合っていたり、面倒を見ていた人は、特別縁故者として遺産の一部を取得できる場合があります。

(1) 解決事例⑤ 叔父さんがなくなり、その妻Aがいるが相続人はいない。義理の甥に当たる依頼者は、Aさんの療養看護を10年以上続けてきた。Aさんはかなりの財産を残してなくなったので、私は家裁に相続財産管理人の選任を求め、次いで依頼者を特別縁故者として遺産の分与を求めた。全財産の分与が認められた。

(2) 解決事例⑥ 私が相続財産管理人として関与した事例で、姪が亡くなり叔母2人が葬式など最後の面倒を見ただけというのがあった。1億円以上の遺産があったが、特別縁故で一人300万円が認められ、残りは国庫に入った。生計を同じくせず、療養看護もしていない場合としてはこんなものであろう。

☆次回は、「5 課税との戦いで解決した事例」の中から、2例を報告します。ご期待下さい。

事務所法律講座(相続と遺言)のご報告 ( 第1回)

[弁護士 吉田 恒俊]

1 はじめに
去る2月18日に、事務所主催で市民向け法律講座を開きました。私が「相続と遺言」のテーマで講師を務めました。参加は約10人で宣伝不足だったと思います。でも、皆さん熱心にお聞き下さいました。

自分の財産を思い通りにつかいたいという当たり前のことが、認知症や痴呆はなくても身体が弱ってできなくなることがあります。死後は当然何もできません。それをサポートするのが成年後見制度であり、遺言制度です。
体と頭が動けなくなってから後悔しないために、制度の利用をお勧めします。子どもや知人がいる人も含めてよく考える時代環境にあると思います。
相続税を節税するということも大切で、私は税理士と組んで対応しています。法律家の目から見た節税対策という視点が重要だと考えております。

以下、今回を含め3回に分けて、講演を基にして私の解決事例をご報告いたします。

2 遺言のない場合の解決事例
親としての最大の不幸は遺産を巡って子どもらが喧嘩することではないでしょうか。草葉の陰から後悔しても始まりません。

(1) 解決事例① 農家で長女が後を継いでいたが、次女も近くに住んで、農地の一部を耕作していた。父母が亡くなって相続が始まると、次女は2分の1の法定相続分を要求した。大部分を相続しようと思っていた長女は怒り心頭に発して、遺産分割解決後も不仲になってしまった。私は、長女の代理人として、寄与分を大きく主張してかなり次女に譲歩させた。

(2) 解決事例② 自宅で父と食品製造の家業を一緒にやってきた長男には、長男名義の不動産はなかった。調停で妹と弟が唯一の遺産である実家を売却してでも分けよと言う。長男にはお金を払うだけの資力はない。こんな場合、できるだけ時間をかけて、裁判所の流れに任せて、安易に自宅を売却することはしない。妹らが諦めるのを根気よく待つ作戦をとる。成功の確率は高い。

☆次回は、「3 遺言をした上で解決した事例」及び「4 相続人がいない解決事例」、次々回は、「5 課税との戦いで解決した事例」の中から、各2例ずつを報告します。ご期待下さい。

近くて遠かった奈良

[弁護士 山下 悠太]

皆様、はじめまして。昨年12月から奈良合同法律事務所で執務を開始しました、山下悠太と申します。

出身は一応、奈良です。一応、というのは、実家は奈良にあるものの、奈良を拠点に活動した経験があまりないからです。小学校時代は、大阪の八尾市で育ちました。中学生のときに奈良に引っ越してきましたが、中学高校は神戸まで通いました。大学は東京。法科大学院は神戸。司法修習も神戸。というわけですので、奈良に実家があるわりには、あまり奈良を知らないのです。

しかし2ヶ月とはいえ、いざ勤務を開始してみると、どんどん奈良のことが見えてきます。多くの依頼者さんとお話をしました。事件や事故の現場もたくさん回りました。そのたびに近くて遠かった奈良の現状を知ることができ、毎日新鮮な気持ちで仕事に取り組んでいます。

新人の立場に甘えることなく、日々研鑽を積んで参ります。ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

生活保護担当職員の「保護なめんな」ジャンパーに驚き

[弁護士 佐藤 真理]

神奈川県小田原市の生活保護業務を担当する生活支援課の歴代職員64人が「HOGONAMENNA(保護なめんな)」とローマ字でプリントしたジャンパーを自費で作成し、業務中に着用していたことが判明した。ジャンパーの胸には漢字の「悪」をデザインしたエンブレムがあり、背面には、「我々は正義だ」「不当な利益を得るために我々をだまそうとするならば、あえて言おうクズである」などと英語で書かれている。

2007年7月に窓口で職員3人が生活保護を打ち切られた男に切り付けられるという事件が発生し、それがきっかけで、「気分を高揚させ、連帯感を高めよう」と当時の職員が始めたようだと報じられている。

しかし、そういう事件がきっかけというなら、何故、保護打ち切りの対象者が激怒したのか、保護打ち切りを回避する道はなかったのか等の真摯な検討が必要だったのではないだろうか。生活支援課の職員らには、生活保護は憲法25条で保障された権利(生存権)であるとの意識が欠如していたのではあるまいか。

許しがたい事件であるが、背景には、国の方針に基づき生活保護受給者を削減しようとの「水際作戦」がある。市町村窓口では、保護申請を容易に受け付けようとしない傾向があり、保護開始まで時間がかかり苦労した経験が何度もある。

2014年9月、千葉県銚子市内の県営住宅で家賃滞納のため強制撤去となったその日、43歳の母親が無理心中を決意し、中学2年生の娘を殺害した事件がある。健康保険料も滞納するほどの生活苦で、母親は「家を失ったら生きていけない」と思い詰めた果ての事件であった。千葉県が家賃の減免措置をとらずに明け渡し請求訴訟、強制執行に及んだこと、市役所の窓口に二度も訪れた母親に「申請してもお金はおりない」などと述べて、生活保護の申請を勧めなかったこと等が判明した。母親は、刑事裁判で懲役7年の実刑判決を受け、今受刑中である。真に裁かれるべきは、憲法25条を踏みにじる、政府と行政の責任ではないだろうか。(新井新二外編『なぜ母親は娘を手にかけたのか(居住貧困と銚子市母子心中事件)』旬報社を参照ください)

第193国会が今月20日から始まり、安部首相は、施政方針演説で「かつて毎年1兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びは、2016年度に続き、2017年度予算案でも5000億円以下に抑えることができた」と胸を張ったが、社会保障のさらなる連続改悪が狙われているのである。大企業の経常利益は、3年間で1・5倍近くに増え、大企業の内部留保は386兆円に達している一方、労働者の実質賃金は4年前に比べ年収が19万円も減り、家計消費は15か月連続でマイナスとなっている。働きながら生活保護基準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、20年前の就業者世帯4・2%から同9・7%と2倍以上に増加するなど、貧困と格差が急速に広がっている。軍事費は5年連続で5兆円を越え、海外派兵型の装備を増強している。まさに、「大砲よりバターを」に逆行する予算と言わざるを得ない。

「米国第一」を宣言するトランプ米国新大統領のもとで、「日米同盟第一」を唱えて、さらに米国にすり寄ろうとする安倍政権は、最悪の組み合わせである。在日米軍基地のさらなる負担増ばかりか、戦争法発動により、米国の戦争に巻き込まれ、自衛隊員が「殺し殺される」事態に直面しつつあることが強く懸念される。

安倍政権を早期に退陣に追い込み、憲法が活かされ、「誰もが人間らしく生き、働ける社会」の実現を目指して、今年も頑張る決意である。
(2017年1月30日)

カテゴリー: sato

里山

[ 事務局 田原隆子]

大和郡山市矢田町に、里山を生かし古民家を移築した奈良県立大和民族公園があります。四季それぞれの花が楽しめますし、果樹もたくさん植えられており、高齢者の散歩や子供たちも自然に触れることができ、元気いっぱい遊びまわれるところです。

私もときどき散歩に行くのですが、あるとき畑や小高い丘の斜面が掘り起こされていました。よく見るとイノシシの足跡がついています。矢田丘陵の里山は、イノシシや猿の出没で、畑や田んぼを荒らされているのです。農家のおばぁちゃんは、何を植えても食べられてしまうから、もう辞めや、なんてこぼしています。

ずいぶん前に、当事務所の吉田弁護士が奈良の鹿愛護会を相手に鹿害訴訟を取り組んだことがありました。保護されて増えすぎた鹿が市民生活を脅かしていたのです。その後、野生の鹿も増え、イノシシも出没、農家の被害はより甚大になっていることと思います。

また、今年は害虫による菌の繁殖で「ナラ枯れ」が大発生しました。これは社会的要因も大きいそうですが、たくさんの木が枯れてしまいました。

里山の恵みは人間だけのものではありませんが、かつて住み分けがうまくいっていた時代があったのです。自然を守り、豊かに暮らせる地球環境を取り戻そうとする「さとやま組合」という農事組合法人が矢田地区で活動していることを最近知りました。里山の魅力を守り、自然豊かに美しく有り続けますように、私たちの小さな一歩が求められています。