〔弁護士 北岡秀晃〕
久しぶりに、妻とうなぎを食べに行きました。日曜日のお昼の鰻屋さんは満員で、ひっきりなしにお客さんがやってきます。きっとみんな、うなぎが食べられなくなるかも知れないというニュースに触発されてやってきたのでしょう。ちょっと贅沢でしたが、おいしかったです。
ニホンウナギは、2014年6月、国際自然保護連合(IUCN)により「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定され、レッドリストに掲載されました。ニホンウナギの数が著しく減っていることは確かで、環境省のレッドリストでも、既に2013年2月に絶滅危惧へのカテゴリー変更がなされたといいます。2016年に南アフリカで開かれるワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議では、規制対象とされる可能性が高まっています。そうなれば国際取引が規制され、輸入には輸出国の許可証が必要となると言います。 台湾、中国や韓国等からの輸出が、密漁等によって捕獲したシラスウナギはともかく、すべて許可されないことは考えられませんので、輸入が完全にストップすることはなさそうですが、輸入量が減少することは避けられないようです。うなぎはさらに贅沢品になりそうですが、「たまにはうなぎが食べたいなあ」などと言いながら食べる喜びを感じ続けたいものです。
他方、クジラには、幼いころの「鯨カツ」の思い出もあり、個人的にはさほど食べ続けたい思いが強いわけではありません。「調査捕鯨」の名の下に商業捕鯨並みの多数のクジラを捕獲する日本のやり方もいただけません。ただ、減少が顕著なうなぎと違って、クジラの生息数がどのようになっているのかを含め海洋生態系を調べるための調査捕鯨は科学的に重要だと言います。感情的なだけの反捕鯨国のやり方も到底支持することができません。科学的で冷静な議論を期待したいものです。