四コマ漫画初挑戦しました!

〔弁護士 中谷祥子〕

 皆さんは今年の奈良合同ニュースは見ていただけたでしょうか?
 奈良合同のニュースの目玉と言えば、巻末の四コマ漫画と言えるでしょう。

 例年は、我が事務所の漫画家、石田さんが描いてくださるのですが、今年は、なんと中谷が書きました。見てくれましたか?? 
 ネタには事欠かない奈良合同ですが、画力が追い付かなくて、苦労しました。

 小さい頃は、漫画家になりたいと思った時期もありましたが、いざ、描いてみると難しいものですね。毎年面白い漫画を安定の画力で描いてくれている石田さんに改めて感謝の気持ちを持ちました。

 なお、ニュース発行から約2か月が経ちましたが、特に四コマ漫画の反響はなく・・・ちょっと寂しく思っていますので、中谷を見かけたら、ぜひ、お声かけをいただけたらと思います!!

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人質を見殺しにする首相を持つ日本人の不幸

〔弁護士 吉田恒俊〕
               
 昨年8月に湯川遥菜さん、同11月に後藤健二さんの2人の日本人が「イスラム国」(以下、「IS」という)に拘束された。政府は2人の拘束を確認していた。ISはそれまで英米のジャーナリストらを殺していたから、凶暴な集団であることは政府も知っていたはずである。殺人を何とも思わない過激派組織ISに捕らわれている日本人を解放するために、政府関係者は水面下で努力をしていたと信じたい。

 ところが、まさにこの2人の命が死活的に問題になっていた1月16日、安倍首相はこともあろうに中東諸国歴訪を断行して、反ISをぶち上げたのである。これでは助かる命も助けられないだろう。
 1月7日にフランスで週刊紙銃撃テロ事件が起きたばかりであり、さすがの外務省内からも「タイミングが悪い」という声が上がったが、安倍首相は逆に「この時に中東に行けるのだからオレはツイている」と嬉しそうだったという。中東訪問が確定したのは、昨年11月末だというから、2人の拘束を知りながらの計画であったのは明らかである。外務省が首相を引き留めなかったとすれば、無能集団と言えよう。中東訪問を強行した首相は、心の中で2人の救出放棄を決断していたのではなかろうか。

 中東で、安倍首相は、「ISと闘う周辺各国に、総額2億ドル支援する」と言ったが、その中身が非軍事的であろうがなかろうが関係ない。日本が有志連合の一員として、ISと敵対することを鮮明にしたことが重要なのである。この発言はISを挑発するもので、人質の解放に悪影響を与えることは誰にも分かることである。
 現に、中東歴訪の最終日である1月20日、ISが2人の映像を発信して1人1億ドルの身代金をネット上に公開した。それまでは10分の1の10億円の要求であったというから、安倍首相の発言によってエスカレートさせたものと言える。我々国民には知らされなかった。知ったのは遅すぎた。政府には8月から1月までの半年間も時間があったのに、いったい何をしていたのかと問いたい。

 1月24日、予告通り湯川さんが殺されたが、後藤さんはヨルダンの女死刑囚の釈放と引き換えに解放するとされた。しかし、2月1日、ISは、「日本が、イスラム教徒に対する『十字軍』の同盟に参加したから」と言って、後藤さんを殺害した。
 よく考えれば、テロと戦うことと人質を救うこととは次元の違う問題である。声高に「テロに屈しない」という首相は、「人質は誰も助けない,死ね」と言っているに等しい。なぜなら、国内での誘拐事件と違って、遠い他国で強力なテロ組織に拘束されている人質を解放するのに身代金がゼロということはあり得ない。身代金を払ってでも助けるべき人質は助けるべきで、テロに屈したことにはならない。
 だから、表向きテロに屈しないと言いながら、水面下で身代金の支払いを含めて解放のための交渉を進めるのが、このような場合の常道とされている。現にISはこれまでフランス、スペイン、イタリア、ドイツ、トルコなどの人質を解放している。例えば、昨年4月、ISに約10カ月間拘束されていた4人のフランス人記者は、水面下の交渉で解放された。身代金が政府によって支払われたと言われている。

 しかるに、日本政府が今回2人の日本人を助けられなかった。なぜ助けられなかったのかが問題とされなければならない。特に、後藤さん自身はジャーナリストであり、ISにとっても敵ではなかった。ISの敵であるヨルダンに対策本部を置くのではなく、ISとも裏で交流のあるトルコに置けば助かったとも言われている。
 政府はどこまで2人を助ける気があったのか、中東歴訪は人質解決後でよかったのでないか、後藤さんはなぜ殺されなければならなかったのか等々,今後の日本と日本人の安全のためにも厳しい検証が必要である。

 去年の7月頃まではISは日本を敵視していなかった。敵視に転じたのは2人の人質解放での交渉経過と安倍首相の中東訪問が端緒となったことは誰の目にも明らかである。実際、ISが今後も日本人を標的としたテロを継続すると予告した理由として、米国などの有志国連合と協調する日本の姿勢を挙げた。安倍首相の言動によって、今後日本と日本人はテロの脅威にさらされることになってしまった。その責任は極めて重い。
 ところが、安倍首相はその自覚もなく、この事件を口実にして自衛隊を海外に派遣しようとしている。絶対に許してはならない。